慶応と早稲田ならどっちを選ぶべきか?さまざまな角度から検証!

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「早慶」という言葉からもわかるように、慶応義塾大学と早稲田大学は志望校を決める際の候補として並ぶことが多い学校です。ただし、どちらを第一志望にするとしても、基本的な情報がなければ比較検討するのは難しいでしょう。そこで、進路の選択に迷っている人のために、慶応と早稲田における入試の内容や実際の人気度、大学卒業後の進路などを紹介します。

1.慶応と早稲田の共通点

慶応と早稲田にはいくつかの共通点があります。そのため、似た学校として比較されることも少なくありません。どちらの学校を選ぶべきか悩んでいる人も多いでしょう。そこで、両校の共通点について紹介します。

1-1.長い歴史と伝統がある

まず、慶応と早稲田の共通点として挙げられるのが、100年以上の歴史と伝統のある学校ということです。慶応は1858年に、啓蒙思想家である福沢諭吉により開塾されました。慶応では「実学の精神」という考え方が重要視されています。実学とは実用的な学問という意味ではなく、科学のことです。実証により真理を解き明かすという科学的な姿勢が伝統的に受け継がれています。

一方、早稲田は1882年に創設された「東京専門学校」を前身として、政治家の大隈重信により創立された学校です。早稲田では「多様性重視・個性尊重」が伝統的な考え方として重んじられています。国籍や性別などを問わず、多様な個性を持つ人々が活躍できる場を目指している大学です。1905年には既に留学生の受け入れを始めており、海外の大学や機関との協定を積極的に結んでいます。2016年の時点で約5000名の外国人学生を受け入れており、3000名以上の在学生が海外に派遣されました。

1-2.難関校として知られている

慶応と早稲田のもう1つの共通点が、難関校としての知名度です。両校は「私大の両雄」ともいわれています。入試の難易度の基準となる偏差値ランキングでは、60台後半から70台にかけて慶応と早稲田の学部が集中することも珍しくありません。たとえば、2018年の入試結果に基づく私大文系のランキングでは、早稲田の政治経済学部が偏差値78でトップです。続く偏差値77には、慶応の法学部と早稲田の社会学部がランクインしています。慶応の文学部と経済学部、総合政策学部および早稲田の教育学部と文化構想学部、文学部、商学部も偏差値76の高難易度です。

一方、私大理系のランキングでは、偏差値78の慶應の医学部がトップで、次点に慶応の環境情報と早稲田の人間科学部がランクインしています。

2.「慶応 vs. 早稲田」優勢なのはどっち?

慶応と早稲田はさまざまな共通点が見られることから、比較される機会が多い学校です。しかし、歴史が長い学校は、時代と共に評判が変化することもあります。そこで、これから入学するならどちらの学校がより優勢なのか、近年の状況から分析していきましょう。

2-1.一般入試の難易度

まずは、それぞれの学校における一般入試の難易度について説明します。ただし、入試において重視するべきポイントは、難易度だけとは限りません。自分の学力と試験問題の「相性」にも注目する必要があります。相性を見極めるために、過去問を確認してみましょう。

2-1-1.文系

慶応と早稲田の文系学部入試は、いずれも難易度が高いことで知られています。最も大きな違いがあるのは国語です。慶応は小論文形式で行われるのに対し、早稲田では現代文と古文、漢文の3つの科目で実施されます。たとえば、慶応法学部と早稲田政治経済学部は、いずれも私大文系において最高峰の難易度とされる学部です。この2つの学部を、日本史を選択したうえで受験する場合の試験科目を見ていきましょう。

まず、慶応の試験科目は英語と日本史、論述力です。論述力とはいわゆる小論文を意味します。一方、早稲田の試験科目は英語と日本史、現代文、古文、漢文の5科目です。なお、早稲田の国語は非常に難易度が高いことで知られています。古文や漢文も出題されるため、他の科目の対策にかけられる時間が少なくなってしまう場合もあるでしょう。そのため、人によっては慶応のほうが合格できる可能性が高いといえます。

2-1-2.理系

慶応と早稲田の理系学部において、共通する学部は理工学部のみです。そのため、理系学部の試験科目や難易度を比較する際には理工学部が注目されます。文系学部の入試は試験問題に違いがあったものの、理系学部の場合は物理・化学選択であれば試験科目は同じです。両校とも数学と理科、外国語の3教科を受験することになります。偏差値を比較しても難易度に大きな差はないため、希望する専攻をもとに受験する学部を選択すると良いでしょう。

なお、2018年の入試データに基づく偏差値ランキングによると、慶応と早稲田の理工学部はいずれも偏差値72と高難易度です。ただし、文系の場合は学部も学科も多く、入試のチャンスも複数回あります。しかし、理工学部は1回しか受験できません。そのため、合格率を上げるために、併願する受験生も多く見られます。試験科目も難易度も共通していることから、対策にも大きな違いはなく、ダブル受験もそれほど難しくありません。

2-2.進学先としての人気度

慶応と早稲田を志望する受験生にはダブル受験する人も多く、両方に合格するケースもあります。そこで、気になるのが進学先としてどちらかより選ばれているのかという点です。ある大手予備校の調査によると、進学先としての人気度は慶応が早稲田を上回っています。特に文系学部では、慶応と早稲田に同時に受かった際、慶応を選ぶ傾向が顕著です。たとえば、慶応と早稲田の法学部にダブル合格した学生のうち、86.7%が慶応に進学しています。

また、慶応の法学部と早稲田の政治経済学部に合格した学生の71.4%が慶応を選びました。慶応の経済学部と早稲田の政治経済学部では、併願した学生の55.6%が慶応に進んでおり、やはり慶応が早稲田を上回る結果となっています。さらに、慶応と早稲田の文学部では、卒業後の進路の方向性にも違いがあるのも大きな特徴です。慶応では一般企業への就職を希望する学生が多く見られます。一方、早稲田では就職先として公務員を選ぶ学生が増えつつあるのです。

3.慶応が学生に選ばれる理由

一般入試の難易度を基準にした場合、試験科目や偏差値によって、慶応と早稲田のどちらを選ぶべきか分かれます。しかし、進学先の人気度を基準にすると、慶応を選ぶ人のほうが多い傾向が見られるのです。なぜ慶応に人気が集まっているのかが気になる人のために、2つの理由を説明します。

3-1.教育内容に魅力があるから

慶応が学生に選ばれている理由の1つが、教育内容の充実度です。慶応を選んだ決め手として、教育内容に魅力を感じたという学生が多く見られます。たとえば、湘南藤沢キャンパス(通称SFC)は科目や学年に枠にとらわれず、分野横断的に学ぶことを目的に創設されたキャンパスです。日本ではあらかじめコースを決定し、学年が上がるごとに基礎から専門的な知識へと移行するシステムをとっている大学が多く見られます。しかし、SFCのカリキュラムは、学年ごとに決められているわけではりません。

学年に関係なく、本人の意志で必要な科目を履修することができます。さらに、研究活動を中心に行う「研究会」にも、1年生から参加が可能です。このように、学生のニーズを的確にとらえたSFCのカリキュラムは、専攻にかかわらず幅広い分野を学びたいという学生から定評があります。「改革」を前面に打ち出したイメージも、慶応が人気を集めている要因といえるでしょう。

3-2.就職に有利だから

慶応が支持されるもう1つの理由が、就職に有利に働く点です。日本で大学選びが重要視されるのは、受験のときだけではありません。卒業後の進路にも大きく影響します。慶応は就活に強いことでよく知られる大学です。就職を見据えたうえで、進学先に慶応を選んだという受験生も多く見られます。慶応は就活時のサポートが手厚く、キャリアセンターという就職支援を行う施設もあるのです。

キャリアセンターではエントリーシートの添削や模擬面接、集団面接やグループディスカッションの練習など、さまざまなサポートを行っています。また、1年次から就活に対する意識が高い学生が多く、学生同士の情報交換が盛んに行われているのも特徴です。さらに、OB・OG訪問がしやすいネットワークも整っているので、志望する企業を訪問したり、実際に働いているOBやOGから情報を得たりすることも容易にできます。

4.慶応が企業に選ばれる理由

慶応はカリキュラムが充実しているだけではなく、就職に強いことでも知られています。しかし、企業から見たとき、慶応生にどのような魅力があるのか気になっている人もいるでしょう。そこで、実際に採用担当者から寄せられた声を紹介します

4-1.人脈が豊富だから

慶応生の人脈の広さは、企業にとって大きな魅力です。慶応生は在校中だけではなく、卒業後も盛んに交流が行われるという特徴があります。このような人脈のベースとなるのは、同窓会組織である「三田会」です。三田会は会員数が38万人以上にも及ぶ大規模な同窓会で、式典やコンサート、シンポジウムなど多彩なイベントを実施しています。また、帝国データバンクが2019年に発表した「全国社長出身大学分析」によると、上場企業の社長は慶応出身者が最も多く、264人にも及びました。このような背景から、慶応生の人脈は侮れないという考えを持っている採用担当者は多いです。

4-2.優秀な人材が多いから

慶応には優秀な人材が多いという理由から、優先して取ろうと考える採用担当者は少なくありません。先述した通り、慶応と早稲田にダブル合格した場合、慶応を選ぶ学生が多いです。早慶にダブル合格する人が慶応に進学するということは、慶応には優秀な人材がいるという事実を示しています。そのため、慶応生は優秀と判断する企業が多いのです。また、慶応生は在校中からOBやOGと交流する機会が頻繁にあり、就活を始める頃にはすでにビジネスマナーや商談の作法など、社会人として必要なスキルが身についている学生も大勢見られます。

慶応を目指すなら「下克上」が最適!

慶応と早稲田は共に名門校として知られる学校ですが、どちらが優勢かは時代により変化します。就職の際も慶応が有利とされていることから、慶応の人気が高まりつつあるのは事実です。慶応への進学を検討しているのであれば、慶応対策に強く、大学卒業後の将来を見据えた指導が受けられる下克上に入塾するという方法もあります。まずは「下克上公式LINE@」へ登録したり、説明会へ参加したりして情報を集めてみましょう。

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