勉強の目標はどのように設定する?一生使える目標の立て方。

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受験勉強について、どのように目標を立てたら良いのかわからない、とりあえず勉強をしているものの、このやり方で受験に間に合うのか自信がないなどの悩みを抱えている人は多くいます。そこでこの記事では、受験を控えている学生に向けて、効率的に勉強するための目標の立て方や、目標を達成できる勉強の進め方などを紹介します。

1.なぜ勉強の目標を立てるのか理解する

限られた時間のなか、志望校合格に向けて効率的に勉強するためには、目標を立てる必要があります。

また、受験に向けての目標を立てる際には、進路を明確にすることも大切です。なぜなら、志望校が国公立大学か私立大学か、文系か理系か、そしてどのような入試方法かによって、受験科目や試験内容が異なるからです。受験科目が多い場合はまんべんなく勉強する必要がある一方、科目が限られている場合はその科目を重点的に勉強することになります。また、各大学が作成する試験問題にはその大学ならではの個性や特徴があるので、それに対応できるよう勉強方法を工夫する必要もあるでしょう。

そのため、まずはどの大学や学科で学びたいのかを決め、そこから逆算して目標を立てると効率的です。目標を立てないでいると、科目ごとにどのくらいの力が必要なのかわからず、やみくもに勉強することになるので、効率が悪くなってしまいます。

2.自分を分析して計画を立てることが大事

勉強の目標を立てるときには、自分を分析することも大切です。なぜなら、目標は人それぞれ異なっており、勉強のペースや理解力などにも個人差があるからです。そのため、ほかの人が立てた目標がそのまま自分にも当てはまるわけではありません。例えば、同じ大学・同じ学科を受験する人でも、その時点での偏差値や得意科目・苦手科目によって、目標の立て方は異なります。

さらに、やる気の出し方や勉強のスタイルも人によって異なるでしょう。家に帰ってから寝る前までの時間が最も集中できるという人もいれば、夜は早く寝て、朝早く起きて勉強したほうがはかどるという人もいます。勉強の計画は誰かの真似をしたり、誰かと比較したりするものではありません。自分の実力や勉強のスタイルなどを分析し、自分にとって最適だと思える目標を立てるようにしましょう。

それでは、勉強の目標はどのように立てれば良いのでしょうか。ここからは、具体的な目標の立て方を紹介します。以下に紹介する5つのSTEPの通りにすれば、自分にとって最適な目標が作れるでしょう。

3.目標の立て方は5STEP

3-1.具体的な目標を決める

まずは、具体的な目標を立てるよう心がけましょう。例えば、ただ「国語の問題集に取り組む」という目標を立てるのではなく、「国語の問題を10問解く」というように、数値まで設定したほうが効果的です。このようにすることで、目標を達成するためにどう行動すれば良いかを考えるようになり、実践に向けて積極的に行動できるようになります。

ただし、「1時間勉強する」などの目標を立てた場合、集中して勉強した場合だけでなく、勉強しながらスマートフォンをいじったり、ほかのことを考えたりしていた場合でも目標を達成したことになってしまいます。そのため、時間ではなく内容に対して具体的な数値を設定するようにしましょう。

また、内容だけでなく志望校の偏差値を目標に設定することも大切です。そのためには、まず志望校や学科に受かるために必要な受験科目を確認します。そのうえで志望校の偏差値を参照すれば、各受験科目に必要な偏差値がわかるので、それもぜひ目標に組み込んでみましょう。

3-2.今の自分の状態を知る

目標を立てるためには、今の自分の状態を知ることも大切です。現時点での自分の学力を知り、目指す大学の偏差値とどのくらい差があるのかを把握することで、偏差値を上げるための目標が立てやすくなります。自分の偏差値を知るためには、ほかの受験生も多く受験する模試を受けるのが良いでしょう。自分と同じ大学を希望している受験生の中で、自分がどのくらいの位置にいるのかを知ることができます。

また、模試を受けて把握した偏差値は、記録に残すようにしましょう。そうすることで、自身の偏差値がどのように変化しているのかが明確になります。また、模試を受けることで得意科目や苦手科目もだんだんわかってくるはずです。さらに、その科目のなかでもどの分野ができているのか、できていないのかまで分析できれば、対策のための目標が立てられるでしょう。

3-3.目標から逆算し、足りない部分を知る

具体的な目標を決め、現状の自分の実力を知ったら、次は足りない部分を把握しましょう。ゴールとなる志望校合格に必要な偏差値から自分の偏差値を引くことで、あとどのくらい偏差値が必要なのかがわかります。例えば、慶応大学の目指したい学部の偏差値が65、現状の自分の偏差値が40の場合は、25足りていないということになります。同様に、受験科目ごとに足りない偏差値を導き出しましょう。学科によって重視する科目が異なる場合もあるので、全部の受験科目が同じ偏差値とは限らないからです。このように、具体的に数値で把握することで、優先して対策しなければならない科目を把握できるようになり、勉強を効率的に進められます。

3-4.中期目標の設定

普段の定期テストとは異なり、受験に対しては長い時間をかけて準備する必要があります。そのため、目標を立てるときは中期目標を設定しましょう。中期目標というのは、数週間~1.2カ月くらいで達成できる目標のことです。中期目標を設定せず、偏差値をいくつ上げるなどの最終的な目標だけを立てている状態では、目標達成に至るステップが明確になっていないので、受験間近になって対策が間に合わなくなってしまうことがあります。

そのため、1カ月あたりでこなす問題集のページを決める、2カ月で偏差値を25アップするなど、中期目標を具体的な数値を用いて決めましょう。偏差値の場合は、2カ月で英語を15アップ、数学を10アップなど、得意科目と苦手科目で数値の異なる目標を設定するという方法もあります。また、最初の1カ月で英単語と英文法を覚え、次の1カ月でリスニングを集中して行うなど、受験までにすべての分野の対策ができるよう、分野別に目標を設定しても良いでしょう。

3-5.短期目標の設定

最終的な目標から逆算して中期目標を決めたら、次はさらにその中期目標を逆算して、1日に進めるべき短期目標を設定しましょう。短期目標を設定する際のポイントは、無理をしないと達成できないような目標にするのではなく、勉強の習慣づけができるような目標を設定することです。

例えば、テストに必要な7000個の英単語を1カ月で覚えるという中期目標を設定し、現在2000単語覚えている場合、逆算するとあと5000個の英単語を覚えなければならないので、1日当たり166個を目安に覚えることを短期目標にします。また、このように1日当たりに暗記する単語の数を決めたり、問題集を進めるページ数を決めたりするときは、少し余裕を持たせて設定すると良いでしょう。単語帳や問題集を期限ギリギリに終わらせるのではなく、その数日前に終わらせることで、残った時間で改めて全体を復習でき、より理解を深められるからです。

4.目標の進め方2STEP

志望校合格を目指すためには、しっかりした勉強の目標を立てることも大切ですが、目標の進め方も重要です。そこでここからは、目標の進め方のポイントとして2STEPを紹介します。

4-1.毎日勉強の記録を付ける

目標を達成するためには、毎日の勉強の記録を付けることが効果的です。勉強していると、ときどき自分は成長していないのではないかと不安に思うことがあります。しかし、これまでに覚えた単語の数や、進めた問題集のページ数を記録して視覚化しておくことで、これだけ勉強を継続してきたと自信が持てるようになります。また、これだけ続けられたのだから、今後も途切れることなく続けていこうと思えるので、目標達成に向けたモチベーションを保つのにも役立つでしょう。勉強を続ける力が着実に伸びていくので、おのずと学んだ内容も身に付いていきます。

ただし、記録を細かく付けていると、記録すること自体が面倒になってしまい、続かなくなる可能性があるので注意が必要です。記録は大雑把で良いので、毎日付けることを心がけましょう。

4-2.目標を見直す

目標を立てたとしても、それが必ず計画通りに進むとは限りません。勉強内容によっては、難しい問題につまずいてしまって予想以上に時間がかかり、短期目標を達成できないこともあります。そのような場合に目標を見直さないでいると、どんどん計画がズレていってしまい、中期目標も達成できなくなってしまいます。そうならないためにも、目標はその都度見直すようにしましょう。

また、それとは逆に、予想以上に勉強がスムーズに進み、予定よりも早く目標を達成してしまったというケースもあります。その場合も、目標が簡単すぎていなかったか見直してみると良いでしょう。場合によっては、次の計画を前倒しにする、目標のレベルを上げるなど、調整が必要になることもあります。

5.目標通りに進めなくなったら…

当初立てた目標通りに勉強が進まなくなった場合、まずは最終目標や中期・短期目標を見直し、進まない原因を客観的に追求してみましょう。目標自体に無理はなくとも、進め方の効率が悪く、はかどらなくなっている可能性もあります。勉強の途中でスマートフォンをいじってしまうなど、集中力が継続しない場合は、勉強している間はスマートフォンを目の届かないところに置くなどすることで、勉強がはかどるようになります。

また、そもそも目標とした勉強量が自分の範囲を超えているということもあるでしょう。しかし、むやみに勉強量を減らすと志望校合格に必要な偏差値に手が届かなくなる可能性があります。その場合は自分ひとりで勉強しようとせず、先輩に教えてもらったり塾に通ったりして理解力を上げるようにすると良いでしょう。さらに、目標途中で何から手を付ければ良いかわからなくなった場合は、そもそもの目標が具体的に考えられていない可能性が高いです。短期目標をより具体的に設定し直すことで、段階的に勉強を進められるようになります。

目標を決めたら効率良く勉強が進められる!

効率良く勉強できるかどうかは、目標の立て方によって左右されます。目指す大学・学科の偏差値と自分の偏差値を把握し、合格に向けて最適な目標を立てましょう。また、目標通りに勉強するためには、記録を付けたり、定期的に目標を見直したりすることも大切です。自分では上手に目標を決められない場合や、自分で作った目標が適切か不安だという場合は、塾や先生などに相談し、しっかりした目標を決めるようにしましょう。

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