続けられる勉強計画の立て方とそのポイントとは

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勉強に時間に比例して成績が上がらないのは、勉強の進め方が誤っている可能性があるかもしれません。成績をアップさせるためには、勉強計画を適切に立てることが必要です。計画を立てて一つ一つ目標をクリアしていくことで、モチベーションと学力の向上が期待できるでしょう。しかし、計画の立て方を間違えてしまうと、逆に成績を下げることにつながりかねません。ここでは、勉強計画を立てるときのポイントについて解説します。

1.勉強計画は立てたほうが良いのか?

受験は、長期間の対策が必要となるので、勉強計画を立てることが重要です。そもそも、勉強するのに計画が必要なのかと疑問に思う人もいるでしょう。たしかに、定期テストなど短期間の勉強であれば、無計画でもある程度対応できるかもしれません。しかし、大学受験となると出題範囲が広範囲のため、無計画に勉強を進めると著しく勉強の効率が下がります。また、志望大学ごとに出題傾向や範囲に特徴があるので、範囲やポイントをある程度絞り集中して勉強しないと、合格ラインに達するのが難しいのです。

限られた時間で出題範囲をこなすためには、計画的に勉強を行うことが求められます。これまで勉強計画を立てても続かなかった人は、現実的な計画でなかった可能性が高いでしょう。まずは、「ゴールとなる志望校を決める」「自分の学力を考慮して継続できる勉強計画を立てる」といった2点が大切です。

2.勉強計画の立てるためにまずやること

勉強計画を立てる前にやっておくべきことは、「自分の学力を把握する」「具体的な目標とゴールを決める」といった2点です。ここでは、学力の把握とゴールの決め方について、詳しく解説していきます。

2-1.具体的な目標・ゴールを定める

受験勉強のゴールは、志望校への合格です。そのため、まずは行きたい学校を決めましょう。志望校が絞りこめたら、過去問をチェックしてみて「受験までにどの程度の学力を身につける必要があるのか」を調べることが重要です。実際に過去問を解いてみると、今の自分に足りない部分が分かるだけでなく、大学ごとの問題の特徴や出題傾向を把握できます。問題の特色や難易度が分かったら、本番までの時間を逆算して必要な対策と勉強を決めていきましょう。

次に、ゴールに到達するために必要となる目標は、現実てきかつ具体的に設定することが大切です。また、目標を達成しモチベーションを高めるためにも目標とともに期日を決めましょう。期日を決めるときは、3週間から2カ月を目安に設定すると勉強の進捗状況をチェックしやすくなります。つい背伸びをして、期日までに達成できない目標を定めてしまうと、やる気を失う原因となるため、注意が必要です。達成可能な目標を立てたほうが、モチベーションの維持に効果的に働くので、余裕を持って目標を設定しましょう。

もし、どうしても目標を高く設定したいときは、「最低限必要なこと」「余裕があったらやっておきたいこと」を別で書き出しておきましょう。まずは、最低限やるべき目標を一つ一つクリアし、時間に余裕があるときは他のことを勉強するようにしておくと、無理なく計画を進められます。

2-2.自分の学力を把握する

目標とゴールが設定できたら、現在の学力や受験本番までの期間など、自分が置かれている状況を確認しましょう。自分の学力を正確に把握するために、実力テストや模試を受けてみることをおすすめします。模試を受けると、同じ大学を志望する学生の中で自分がどの程度の位置にいるのか、教科ごとの偏差値や得意な科目や苦手分野を数値で把握できます。模試の結果を参考にしながら、志望校合格のために必要な勉強を洗い出し、受験までに残された期間でスケジュールを立てていきましょう。先に志望校の過去問を解いて、自分の苦手分野や志望校の出題傾向を把握し、どの分野にどれだけの時間をかけるべきかを判断することが大切です。

3.勉強計画の立て方

目標とゴール、そして今の自分の状況を把握できたら勉強計画を立てていきましょう。ここでは、勉強計画の立て方について詳しく紹介していきます。

3-1.やるべきことをリストアップする

設定した目標を達成するために、自分がやるべきことをリストアップしていきましょう。目標は短い期間で設定していくことでモチベーションを維持しやすくなるので、短期間で具体的な目標を決めていきます。例えば、「2カ月後に受験する英語のセンター模試で160点以上取る」という目標を決めたら、目標達成のためにどのような勉強をしたらよいのか把握しやすくなるでしょう。「センター試験に出題される英単語をすべて覚える」「センター英語の長文読解」といったように、詳しい勉強法や範囲を決められるようになるのです。このように、他の科目でも具体的な目標と期日をできる限りたくさん書き出していきます。

やるべきことをリストアップするときは、苦手科目の克服に力を入れることが大切です。誰でも得意科目と苦手科目があります。苦手意識が強かったり、問題が解けなかったりすると、やる気がなくなってしまうため、得意科目を中心に勉強したくなるものです。たしかに、得意分野の学力を伸ばすことも大切ですが、苦手科目をクリアしなければ成績アップは期待できません。苦手な科目の勉強にできるだけ時間を費やせるように配分し、苦手科目から逃げない勉強計画を立てていきましょう。

3-2.どれくらい時間がかかるかを把握する

限られた時間を有効活用するためには、勉強の効率性を高めることが重要です。そのため、勉強時間の配分を考えるときは、何にどれくらいの時間がかかるのかを把握しておくようにしましょう。作成したやることリストの中から、それぞれ目標達成に必要な問題をいくつか解いてみて、科目ごとに問題の種類や難易度に応じて必要な時間を調べてみます。あわせてやっておきたいのが、1日の生活スケジュールの把握です。スケジュールを確認してみると、「いつまとまった時間が取れるのか」「勉強に活用できそうな隙間時間があるのか」など、有効な時間の使い方を把握できるようになります。

自分の生活スケジュールにあわせて、いつ何を勉強したらよいのかを当てはめていきましょう。苦手な科目や難易度の高い問題は、勉強時間が多く必要と予測できるので、時間に余裕のあるときや集中できる環境で勉強することをおすすめします。

3-3.優先順位を決める

効率よく勉強を進めるために、最も重要なポイントは計画を立てるときに優先順位を決めることです。やるべきことを調べてみると勉強量があまりにも多く、すべてをこなそうとすると計画に無理が出てしまいます。また、勉強にあてる時間も限られているため、目標の達成がより一層厳しくなるでしょう。優先順位をつけると、成績アップに効果的なことから取り組めるようになり、最終的な目標達成まで最短距離で進めるようになることが期待できるのです。逆に、優先順位をつけずに勉強してしまうと、本来やるべき勉強に手が回らず勉強時間を無駄に費やすことにもつながります。

優先順位をつけることは、勉強の効率を上げるために必要なことです。限られた時間を有効に活用して目標を達成するためにも、最も優先するべきことから順番に勉強を進めていきましょう。

3-4.年間・月間・週間・日にスケジュールを落とし込む

計画を立てるときは、長期(年間)、中期(月間)、短期(週間・日)の順番に勉強のスケジュールを落とし込むことがポイントです。目標達成までに何が必要なのかを把握できたら、年間で達成しておきたい目標が分かるようになります。年間計画は、科目ごとに細かく目標を設定するのではなく、例えば「春から夏にかけて基礎的な参考書を2冊終わらせる」など、ざっくりとした計画で問題ありません。最も重要なのが月間の目標です。年間計画を参考にしながら、1カ月でどれくらいの勉強をこなせばよいのかを考えて勉強計画を立てていきます。

月間目標を達成するためには、達成可能な範囲で計画を立てることです。量をこなすことも大切ですが、学んだことが身についていなければ時間の無駄になるので、着実に学力アップできるような計画を立てましょう。科目や問題の難易度に応じて「どれくらいの時間がかかるのか」ということを頭において、週間や1日の勉強計画を具体的に立てていきます。例えば、「英単語帳を3ページ覚える」など、月間目標を達成するために必要な1週間もしくは1日の勉強量を配分していくのです。

短期間で詰め込みすぎてしまうと、知識が定着しないだけでなくモチベーションダウンにもつながりかねません。そのため、週間や1日の計画を立てるときは、1~2時間の余裕を持たせることをおすすめします。

4.勉強計画のポイント

ここでは、勉強計画を立てるときに気をつけておきたいポイントについて紹介していきます。

4-1.定期的にスケジュールを見直そう

勉強計画は、定期的な見直しが必要です。いろいろな点を考慮して勉強計画を立てたとしても、それが完璧な計画とは限りません。自分の学力の伸び具合や、勉強にあてられる時間などは変わってくるものです。また、予期せぬアクシデントが起こって優先順位を変える必要が出てくることもあります。最初に決めた計画を無理に実行しようとすると、思うように勉強が進まなくなってしまうでしょう。そのため、そのときの状況にあわせて勉強計画をアップデートが必要です。

勉強計画とは、目標達成のための正しい道筋を自分で確認できるようにしておくものであり、必ずしもその計画に100%従う必要はありません。例えば、「参考書を24~75ページまで読む」という具体的な計画を立ててしまうと、目標を達成するために自分を追い込んでしまいがちです。それよりも、「キリがよいところで約20ページ」という達成しやすい目標設定にしたほうが、気持ちにもスケジュールにも余裕が出ます。

4-2.詰め込みすぎず調整日を作る

細かく計画を立てたとしても、計画通りに勉強が進まないことがあるため、調整日を作ることがおすすめです。調整日は、1カ月に1~2日を目安に設定すると無理なく計画を実行できるようになるでしょう。1日もしくは1週間でこなすはずだった勉強を、調整日を使って穴埋めすることで、無理なくスケジュールをこなせます。勉強が計画通りに進まなくなってしまうと、やる気をなくす原因となったり、その後の計画を大きく狂わせたりしかねません。調整日で計画の帳尻合わせができれば、目標をクリアした達成感も得られ、計画を立て直すこともできます。

もし、計画通りに勉強が進んだ場合は、自分へのご褒美として調整日を遊びの日に設定するのもおすすめです。受験勉強は、長期間にわたるので毎日タイトなスケジュールで勉強を進めていると、モチベーションが低下しやすくなります。1日勉強のことを忘れてリフレッシュできれば、勉強に対して前向きな気持ちになれるかもしれません。

4-3.時間よりも量で計画する

勉強に費やす時間ではなく、勉強量に配慮して計画を立てることをおすすめします。たくさん時間をかけたところで、学んだことが必ず身につくものではありません。また、時間だけを目標にすると、受験本番までにやるべきことが終わらなくなったり、勉強に多くの時間を費やしたことだけに達成感を得てしまったりするリスクがあるのです。

「1日に○時間」というよりも、「この日までに数学の問題集3ページを終わらせる」など、勉強の量で計画を立てたほうが、勉強の効率が上がることを覚えておきましょう。ただし、勉強の量を決めたら時間配分には注意が必要です。1日あたり勉強にあてられる時間は限られています。しかし、それ以上の時間が必要となる勉強量を詰め込んでしまうと、計画通りに勉強が進みづらくなりかねません。また、人間の集中力には限りがあるので、ダラダラと長時間勉強していては、せっかく学んだことが身につかなくなります。そのため、計画を立てるときは、ある程度時間に余裕を持ってスケジュールを組むことが必要です。

4-4.復習時間も予定に入れる

勉強計画には、復習時間も入れることをおすすめします。なぜなら、勉強は1度だけで知識を定着させることが難しく、繰り返し学ぶことで身につくものだからです。復習を行わず、どんどん先取りして学習を進めてしまうと、新しいことを覚えるたびに以前学んだことを忘れやすくなります。長期記憶を形成するためには、定期的な復習が大切です。1週間のうち1日、または数時間を復習の時間にあてるようにし、学んだことを着実に身につけていきましょう。

勉強計画を立てて効率的に受験に臨もう

適切に勉強計画を立てることができれば、勉強効率が上がりゴールまで最短距離で到達できるようになります。よく考えて立てた計画でも完璧ではないので、その場の状況似合わせて臨機応変に修正することです。また、計画を立てることに集中しすぎて、勉強時間が削られてしまっては意味がありません。勉強計画の立て方のコツと注意点を理解し、無理のないスケジュールを組んでいきましょう。

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