歴史のノートのまとめ方を解説!学力アップに最適なノート活用法

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ノートのとり方のコツは、科目によって異なりますが、どの科目でもきちんとしたノートは大きな武器になります。特に、歴史の勉強においてはノートのまとめ方が理解度を大きく左右するのです。この記事では、避けたほうがよいノートのまとめ方やについて解説します。すぐに実践できる状態になるので、歴史のノートを効率よく理解を深めるため参考としてみましょう。

1.ノートのまとめ方の重要性

ノートの役割について考えてみましょう。まず、授業を受けるときにノートをとっておくと、その場で記憶できなかったことを振り返りたいときに使えます。また、自分で書くことにより、記憶の定着や理解を助ける役割も持っています。ただし、どのようにノートをとるのかによって、役割の効果が異なることがあるため注意が必要です。ノートをいかに上手にまとめることができるかを知っておくと、その教科の理解力に差が出てきます。そして、きちんと理解していれば成績にも反映されてくるのです。

2.ノートのまとめ方のNG例

ノートをとるときには、気をつけておくべきいくつかのコツがあります。講義内容をただメモするだけでは、「使えるノート」にはなりません。ここでは、代表的なまとめ方のNG例について確認してみましょう。

2-1.板書を写すだけ

授業のときに先生は、黒板やホワイトボード、または電子黒板上に「板書」します。このとき、先生から発信される情報は板書される内容だけではないことに注意しましょう。通常は、「話し」ながら「書いている」ことが多い傾向のため、話す内容の補足として板書があると認識しておくことが大切です。このとき、もしノートに板書されたことだけを写していると、情報の一部しか記録していないことになります。

例えば、授業に出ていない友人にノートだけ見せても、充分に内容が理解できないはずです。なぜなら、先生の「話した内容」が欠けているからです。授業を受けて時間がたったあとで読み直すときに、自分でとったノートでも意味がわからないことがあるのも同じ理由といえます。ノートは、あとで読み返して授業の内容や自分の理解度を確認するためのものです。そのため、授業の内容全体を網羅しておく必要があります。

そうはいっても、先生の話しと板書の両方を完全に記録する必要はありません。ここで、「まとめる力」が必要になります。話しや板書の要点を書き留めるようにするのです。インプットされた内容をよく理解して、自分の言葉でアウトプットする必要があります。自分の言葉でまとめておけば、あとで読み返したときに授業の内容が想起されやすくなるのです。つまり、授業でノートをとる行為は受動的な記録行為ではなくて、能動的で創造的な自己表現ともいえるでしょう。

さらにいえば、自分の言葉に変換するときに、うまくいかないときが「質問」のタイミングです。授業の内容をまとめるときに不足している情報や考え方があると、うまくいきません。それを先生に確認することが、「質問」という行為の本質です。

2-2.ペンの色にルールがない・色が多すぎる

ノートに書き留める際に、色ペンを使って整理する方法は一般的です。ただし、ペンの色は無作為に使うべきではなく、それぞれの色に意味を持たせるようにするのが「成績アップノート」を作るコツ。授業の内容については、ペンや鉛筆で記録すると「黒」か「濃紺」になるでしょう。そこには、重要なポイントや自分が疑問に思ったこと、またはもうすこし調べたいことなどが、すべて同じ色で書かれています。これは、そのままにしておくと、あとで読み返すときに効率が悪いのです。

そこで、例えば次のような色分けをするとわかりやすいノートになります。まず、授業のテーマと関連するキーワードには、「赤」または「オレンジ」で囲むかアンダーラインを引きましょう。次に、自分が疑問に思った箇所やあとで質問をしたい部分には「青」ペンでマーキングしておきます。もし、その他に別の意味を与えたい箇所には「緑」ペンで印をつけておけばよいでしょう。このように、3色あればノートの内容が構造化できます。それぞれの色に意味があるので、重要なポイントが一目瞭然です。

色ペンを使う際に注意したほうがよいのは、色を使いすぎないことです。たしかに、カラフルなノートなら見た目は楽しくなりそうですが、色が多すぎるとどこが重要なポイントなのかわかりにくくなります。ノートの目的は、あとで読み直して、授業の内容を効率的に再確認することです。そのためには、なるべく少ない色にしておくほうがよいでしょう。また、あまりに色を使いすぎると、見ているだけで目が疲れる可能性もあります。

2-3.「綺麗なノート」にこだわりすぎる

ノートを綺麗にまとめることは、決して悪いことではありません。ただし、それも程度問題で、「綺麗さ」を追求するのは、ノートの目的に反しています。あとで読み直したときに、すぐに内容とポイントが想起されるように書かれていれば問題ありません。綺麗なノートにこだわりすぎると、まとめることが目的になり内容がおろそかになってしまう可能性があります。たしかに、綺麗にまとめることは気持ちよく整理できたような気がしてしまいますが、内容ではなく綺麗にまとめることに時間を費やしてしまうのは本末転倒です。ノートは、自分が理解できれば十分であり、綺麗に収めようとしたり、ページを節約しようとしたりする必要はありません。

3.歴史のノートをまとめるコツ

ノートの中でも、特に歴史ノートをまとめるコツを紹介していきます。以下の6つのポイントをしっかり押さえたノートであれば、成績を向上させる強力な武器となるでしょう。

3-1.歴史は5W1Hのストーリーで覚える

歴史は、さまざまな出来事が複雑に絡み合うため、覚え方にはコツがあります。例えば、「5W1Hのストーリー」を活用して覚えてみてはいかがでしょうか。5W1Hとは、「When, Where, Who, What, Why, How」の頭文字をまとめたもので、いつ、どこで、誰が、なにを、なぜ、どのように行ったかを意味します。5要素は、ある事実を記述するときに、最低限必要な情報を忘れないようにするための指針なのです。例えば、事実を完結に伝える代表的なメディアである新聞記事の最初のパラグラフには、これらの要素がすべて入るように書かれます。

歴史は、暗記する項目が多い傾向です。しかし、重要人物や起きた事件や年代を個別に暗記するよりも、その背景などの前後関係も合わせて5W1Hを入れて、一つのストーリーにしてみましょう。こうすると、全体の流れの中に各要素を位置づけることができるため覚えやすくなるはずです。

3-2.雑談や発言もメモできるスペースを作る

賢い人のノートには、先生の話しと板書について書き留めるスペースの他に「その他の情報」を肉付けするためのスペースも空けてあります。例えば、復習するうちに気づいたことをメモしたり、疑問に思ったことをそこに書いておいたりするのです。また、授業のときにはテーマから外れた「雑談」で盛り上がることがあります。雑談には、さまざまな考えるヒントが含まれていることがあるため、これもメモしておくとよいでしょう。

このようなスペース作るコツは、最初から書き込む内容とエリアを分けておくことです。例えば、ノートを開いて左のページには授業の内容を書き込み、右のページには気づいたことや復習の際に調べたことなどを書き込むのです。この右ページには、テーマに関連する地図や写真など、理解を助ける資料を貼り付けておくこともできます。創造的なノートにするためには、あとでどんどん書き込み・貼り込みができるように、最初からきっちり詰めて書き込まないようにすることが大切です。

3-3.文章ではなく要素をシンプルにまとめる

ノートに書き込むときには、完全な文章ではなく内容を示すキーワードなどのほうが効果的でしょう。なぜなら、時間が大幅に節約できるからです。ノートでは、主語や動詞などの文法要素がそろった美しい文章を書く必要はありません。あとで読み直したときに、自分でわかればよいのです。また、不完全な文章のほうが、思い出そうとするため記憶の想起を促す効果もあります。

会議などの口頭発表を迅速に記録するテクニックに「速記」がありますが、これは略号を使って記録のスピードを上げているのです。同じように、自分だけがわかる略号や記号でノートをとる人もいます。最終的に自分がわかればよいため、他人にとっての読みやすさなどは考えなくてよいのがノートです。ひたすら時間を節約しながら、自分の知的能力を向上させるためにも、略号や記号や矢印などはどんどん使ってシンプルなノートを目指しましょう。

3-4.色ペンごとにルールを決める

色ペンごとにルールを決めて意味を持たせることは、ノートを作るときの基本です。歴史のノートであれば、重要人物は「赤」、事件名は「青」にするなどの分類もよいでしょう。もちろん、このルールは自分で決めるものなので、決まりはありません。なお、ノートを作る時間を効率的に減らす際にも、この色ペンルールは役に立ちます。例えば、多くの国が参加した歴史上重要な戦闘の勝敗などは、どの国が戦勝国グループに入っているのかわかりにくいこともあるでしょう。

そのようなときには、戦勝国を「赤」、敗戦国を「青」などで色分けしておくと、説明の文字数を省略したり、時間を節約したりしやすくなります。色ペンを使うときには、色数を制限したほうがよいことはすでに述べましたが、内容をわかりやすくまとめるためにどうしても色を増やしたいときには、ペンの種類を変えてみることも方法の一つです。例えば、細い色ペンを使っているのであれば、太さの違うものを使ったり、色ペンではなく蛍光マーカーにしたりするのです。また、同じ色であっても太さを変えることで、異なる意味付けを与えることもでき、同時に色の氾濫を防ぐことも期待できます。

3-5.事件や人物の関係は図を活用する

多くの要素が複雑に絡むのが歴史的事象の特徴ですが、そこを試験で問われることがあります。そのため、事件や人物の関係を理解するときには、目に見えない「関係性」を目に見える「図」に変換してしまうグラフィック要素を活用することがおすすめです。これは、ビジネスの世界では「見える化」ともいわれる手法で、わかりにくい概念を多くの人に共有する際に用いられる手法になります。自分の中でもやもやしていることがらを目に見える状態で表現して、理解しやすくすることにも使えるでしょう。

このような「図化」する方法は、抽象的な概念に具体的な形を与える行為なので、関係性をきちんと理解していないと形にすることができません。そのため、自分の理解が不足しているところを見つける方法としても効果的です。歴史のノートを作るときに有効な図の種類としては、事件を時系列に並べる「年表」はよく使われます。また、事件や合戦が起きた場所であれば「地図」上に情報をプロットしていくのが一般的です。さらに、ある事件に絡む登場人物の関係を示すには「家系図」なども有効でしょう。

例えば、ある国の王位継承に絡んで起こった事件であれば、それぞれの登場人物の地位、血縁関係、対立関係を図と色を使って表現しておけば、全体像がひと目でわかるようになります。図化の効果はわかっていても、図を描くことが苦手な人もいるかもしれません。本来であれば、自分で手書きしたほうがよいのですが、場合によっては教科書や参考書をコピーしたものを貼り付けるのもよいでしょう。特に、写真や絵画作品を資料として使いたいときには便利な方法です。

3-6.ゲーム・漫画・ドラマの豆知識を補足する

歴史の勉強をするからといって、教科書や参考書、分厚い歴史書を読むだけが情報源ではありません。ゲームや漫画、ドラマの豆知識を捕捉するのも有効な場合があります。歴史にまつわるストーリーには、多くの人が関心を持っているため、史実に沿ったストーリーのゲームや漫画や小説などはかなり流通している傾向です。興味があるテーマであれば、積極的に試してみましょう。単なる娯楽ではなく、歴史のノートの素材として活用する際の注意点は、史実と創作の部分を分ける視点です。

例えば、ゲームであれば「三国無双」「信長の野望」、漫画なら「キングダム」「センゴク」などがあります。また、歴史小説で定評がある作家には、司馬遼太郎、吉川英治、浅田次郎などもおすすめです。最も手軽なのは映像系で、歴史映画や大河ドラマなどもよい素材になるでしょう。

4.ノート術の参考になるオススメ書籍

ノートをまとめる際に参考になる書籍は、多く出版されています。ここでは、主な3冊を紹介します。1冊目は、『東大合格生のノートはかならず美しい (文春e-book)』です。東大合格者のノートの分析結果から成績向上の7つの法則を導き出しています。2冊目は、『コクヨの結果を出すノート術: たった1分ですっきりまとまる!』です。日本で最も多くのノートを販売するメーカーの協力を得て、結果を出すノートを作るための実践的な100のコツが書かれています。

3冊目は、『東大家庭教師の結果が出るノート術―仕事・勉強を成功に導く新記憶ルール』です。筆者が長年培ってきた結果の出るノートのとり方がわかりやすく解説されています。

自分だけのノートで学習効果を上げよう!

歴史は、さまざまな要素が複雑に絡んでいる事象が多いので、ポイントを押さえたノートは、理解の大きな助けになります。ここで紹介したコツを参考にして、わかりやすいノートを作ってみましょう。そして、その歴史ノートと対話を繰り返すのです。何度も読み返したり、書き込んだりするうちに、いつのまにか歴史が得意科目になっていることでしょう。

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