早慶の就職先はどこが多い?就職偏差値が高い理由とは

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就職に強い大学かどうかは、志望校を選ぶうえで大事な基準の一つです。私大の中でトップと呼ばれる早慶は、就職に強い大学として定評があります。しかし、実際にはどのような企業に就職をしているのでしょうか。この記事では、「早慶を目指そうか迷っている」「目指そうと思っている」といった人に向けて早慶の就職事情について解説します。

1.早慶の大学受験偏差値はどれくらい?

まず、就職事情の前に受験時の偏差値について説明します。早慶の大学受験偏差値は、私大の中ではトップです。大学全体でいうと、東京大学や京都大学、一橋大学、東京工業大学といった最難関国立大学よりは下で、その他の旧帝大と同等の難易度になります。それでは、早慶のどちらがより合格しやすいかというと、早慶の受験偏差値の優劣を付けることは難しいでしょう。なぜなら、受験偏差値は学部によって異なるためです。例えば、慶應の医学部は東大レベルの難易度ですし、早稲田の政治経済学部は他の学部と比べると偏差値が高めです。

加えて、早稲田は受験科目数が少ないことで知られています。つまり、早慶のどちらのほうが合格しやすいかは、「どの学部を受験するか」「どの科目が得意か」によって大きく変わってきます。ただし、早慶は学部数が多く毎年の入学数が5,000人を超えるほどのマンモス大学です。私大トップではありますが、自分の実力に見合った偏差値の学部を併願受験することで、合格率を高められるでしょう。

2.早慶生の就職先はどこが多い?

気になる早慶生の就職先について、2018年度の実績から多いものを挙げて説明します。早慶どちらも、就職先ランキングにはあらゆる業界の大手企業が並んでおり、10位内でみると金融や保険業界、メガバンク系が目立ちます。具体的な企業名でいうと、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、東京海上、富士通などです。この他、早慶では就職難易度の高い外資系コンサル業界にも強く、アクセンチュアなどの人気企業も10位以内にランクインしています。

10位内ではありませんが、5大商社に就職した学生も多い傾向です。住友商事や三井物産などの5大商社は、給与水準が高いことでも知られています。昔から人気が高い就職先の一つです。最後に、早稲田ではマスメディアに就職する学生も多く、10位内にはNHKもランクインしています。

3.早慶の就職市場における立ち位置は?

就職先の状況を見る限り、早慶は就職に強い大学だといえます。しかし、実際に他の大学と比べたときの就職市場の立ち位置についても押さえておきましょう。まず、就職市場のトップに君臨するのは、東京大学や京都大学、一橋大学、東京工業大学を卒業した超高学歴の学生です。早慶は、その他の難関国立校と並んでそのすぐ下にいます。早慶の下に、ICUや上智、東京理科大といった難関私大があり、さらにその下に位置づけられるのがMARCHです。

MARCHは、早慶ほどのブランド力はないものの、書類審査などで学歴フィルターがかかっても落とされずに残る傾向にはあります。つまり、大学全体で見ても早慶は就職市場においてかなり上側の位置といえるでしょう。

4.東大・京大と比べると?

東大や京大を卒業した学生たちの就職先が気になる人も多いのではないでしょうか。まず、東大生の2018年度の就職状況ですが、最多の1位が三井住友銀行、2位がアクセンチュア、そして3位が東京海上と、実際には早慶の就職状況と差がありません。また、同様に大手商社も上位にランクインしています。京大では、学部別の就職状況しか公表されていないため、大学全体としての正確なランキングはわかりません。

しかし、いずれの学部の場合でもランキングの大半を占めるのは大手企業であり、東大と同じように金融や保険業界に就職を決めた学生も多くいます。ただし、東大や京大では早慶とは異なる傾向です。例えば、東大や京大では自ら起業したり、ベンチャー企業や官庁に行ったりする学生も多いという特徴があります。そういった一部の違いはありますが、一般企業の就職状況においては、早慶は東大や京大にも引けを取らない実績を残しているといえるでしょう。

5.早慶が就職に強い理由

早慶は、どうしてここまで就職に強いのでしょうか。もちろん、受験偏差値が高いのは理由の一つですが、それだけではありません。ここからは、受験偏差値以外に早慶が就職に強い3つの理由を説明します。

5-1.優秀なOB・OGがいる

理由の1つ目は、早慶には優秀なOB・OGがたくさんいることです。早慶は、歴史の長いマンモス大学であり卒業生の数も桁違いです。また、就職に強いことから、多くの優秀な卒業生たちがOB・OGとして大手企業で働いています。就職活動において、優秀なOB・OGがいることは大きな強みになるでしょう。OB・OG訪問の候補者が見つかりやすく、なかには同じ学部の卒業生というケースも珍しくありません。

加えて、早慶は同窓会のつながりが強いことでも知られています。早稲田には「稲門会」、慶應には「三田会」という卒業生の団体があり、卒業後の交流も盛んです。そのため、OB・OGの面倒見がいい傾向にあり、学生の相談にも応じてくれる先輩を見つけやすいといえるでしょう。面接の前にOB・OG訪問をして、企業研究をしっかりと行うことができれば、就職活動において大変有利です。慶應の場合では、OB・OGが慶大生だけを対象とした就職セミナーも実施しています。

5-2.面接前の絞り込みで残りやすい

理由の2つ目は、面接前の絞り込みで残りやすいことです。売り手市場といわれていても、人気の高い大手企業には多くの学生が殺到します。なかには、エントリー前の資料請求の段階では万単位で申し込みが来る企業も少なくありません。しかし、採用担当者としては多くの候補者の中から効率的に学生を絞り込み、肝心の面接などでしっかりと能力や適性を見極めたいことでしょう。その際、「早慶卒業生かどうか」は、効果的な絞り込み条件になります。

なぜなら、早慶に合格できる学力を持ち、さらに厳しい受験勉強に打ち勝った根気と計画性のある学生だと評価できるからです。加えて、レベルの高い環境で学んでいたことから、「標準以上の一般常識やマナーを身に付けているはず」という見方もできるでしょう。大手企業の内定を得たくても、まずは書類選考にパスできなければ、面接での自己アピールすらかないません。その点、早慶の学生であれば、一定以上のポテンシャルがあると判断されやすく、結果として面接前の絞り込みに残る可能性が高いのです。

5-3.卒業生に対する企業からの評価が高い

3つ目の理由は、卒業生に対する企業からの評価が高いことです。学生数の早慶では、多くの卒業生が入社している背景もありますが、OB・OGの入社後の働きが企業内で高く評価されています。日経HRが発行した「価値ある大学2019年版-就職力ランキング-」においても、私大の中で唯一早慶だけがトップ10にランクインしているのです。つまり、ポテンシャルを見込まれて入社したOB・OGの中には、入社後にも企業から能力的に優れていると評価されている人が多いといえます。

企業にとって社員は、貴重な資産です。特に、労働力不足が叫ばれている日本では、できるだけ優秀な人材を獲得しようとどの採用担当者も必死になっています。早慶出身の社員のアウトプットは、一定よりも高いと評価できれば、以降も早慶の学生を積極的に採用しようと思うのが自然でしょう。「優秀な卒業生が多い」という点で、早慶の学生は就職活動において大きなアドバンテージがあるといえます。

6.早慶の学生の特徴は?

就職に強いトップ私大として並べられることの多い早慶ですが、校風は大きく異なり、学生の特徴にも違いがあります。まず、慶應は「コミュ力の慶大生」といわれ、コミュニケーションが得意で周囲に調和できる学生が多い傾向です。その背景にあるのが、OB・OGとの縦のつながりといえるでしょう。慶應は、縦のつながりが強いことから、学生時代からOB・OGをはじめとする目上の世代と接する機会に恵まれています。そのため、正しい敬語を使えることはもちろん、相手との関係性を考慮して失礼にならない程度に自己主張できるなど、立ち振る舞いが大人な学生が多いといわれています。内面だけでなく、見た目もおしゃれな学生が多いのも慶應の特徴です。

一方の早稲田は、「多様性の早大生」といわれています。全国からさまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まっていることに加えて、学生の主体性を尊重する校風が学生の多様性を育てています。ただし、その分、飛び抜けて優秀な学生がいる一方で、不真面目な学生もいるなど、優劣の差が激しいのも事実です。また、女子学生の雰囲気が慶應と異なっていることも挙げられます。慶應と比べると、自分の言葉でしっかりと受け答えできる女子学生が多くいると感じる人も少なくありません。早稲田に脈々と受け継がれてきた「バンカラ」「在野精神」を体現する学生もいます。なかには、学ラン姿で校内を歩いたり講義に出たり人もいますが、他の学生たちが特に動じる雰囲気もありません。

7.早慶で就職状況に違いはある?

早慶では、学生の特徴にも違いがあり、就職状況にも多少の影響を与えています。企業の採用担当者からすると、コミュニケーション力に長けており学生の粒がそろっている慶大生のほうが安定感があるでしょう。ただし、慶大生は周囲からの見え方を気にする傾向が強く、就職活動においても大企業や業界トップ企業しか受けないなど、保守的な一面があるのも事実です。その点、早大生は慶大生と比べると個性的で意欲があるとされ、人柄でも評価されやすくなっています。

また、慶大生と比べると早大生のほうがベンチャー企業などに興味を持つなど、チャレンジ精神が強い傾向です。もちろん、就職活動がうまくいくかどうかは、個人の能力や企業との相性もあり、一概にはいえません。ただし、一般的な早慶のイメージに期待する採用担当者が多いことも知っておきましょう。

早慶に合格していい就職先を手に入れよう

早慶は、就職にとても強く志望校を絞り込むうえでぜひ候補に入れたい魅力的な大学です。早慶レベルに合格するためには、単に勉強時間を長くするだけではなく、正しい勉強法で着実に実力をアップさせていくことが非常に重要になります。短期間で効率的に成績を上げたい場合は、メソッドがある「下克上」をうまく活用して早慶合格を目指してみましょう。

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