英文解釈の技術100の特徴やメリットとは?難易度や効果的な使い方も解説

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「英文解釈の技術100」は、高い人気を誇る定番の英文解釈参考書です。難易度別にシリーズ展開しており、そのうちの最難関レベルにあたります。非常にレベルが高いため、やみくもに使っては効率良く学ぶことはできません。どの程度の難易度なのか、どのような特徴がありどのようなメリットが得られるのかを知っておくことが必要です。この記事では、英文解釈の技術100について、概要やメリット、効果的な学習方法を解説します。

1.英文解釈の技術100について知っておくべき3つのポイント

参考書を使い、最大の学習効果を得るためには、どのような特徴があるのかを知っておくことが大切です。ここでは、「英文解釈の技術100」の基本的な概要やシリーズ内のほかの参考書との違い、対象レベルなどを紹介します。

1-1.本書の概要

「英文解釈の技術100」は、桐原書店が出版している「英文解釈技術」シリーズのうちの1冊です。出版以来多くの受験生が愛用しており、大学受験に向けて英文読解を勉強する際の参考書として定番化しています。基本構成は、見開き2ページで最初に長文を提示し、その後に解説が続くというものです。解説が非常に丁寧で、英文の単語にSVOCMの各品詞が割り振られ、修飾語がどの被修飾語にかかっているのかまで図解されています。そのため、一目で構造を把握することが可能です。また、音声CDがついていて聞き取り練習などに使うこともできます。

基礎解釈の技術100をやりこめば、英文解釈や和訳に必要な知識や技術を高いレベルで習得できるでしょう。英文読解問題や和訳問題のほか、速読にも対応できるようになります。

1-2.本書が属するシリーズ

桐原書店の「英文解釈の技術」シリーズには、「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」「英文解釈の技術100」の3つがあります。各難易度は以下の通りです。

・入門英文解釈の技術70:センター試験(2020年度より大学入学共通テスト)レベル
・基礎英文解釈の技術100:MARCHレべル
・英文解釈の技術100:最難関大学レベル

英語があまり得意でない場合は、入門英文解釈の技術70が向いています。基礎英文解釈の技術100でも、マスターすればほとんどの難関大学の入試に対応可能です。英文解釈の技術100はそのさらに上を目指したい人に向いています。

1-3.本書をおすすめできる人

先に述べたように、「英文解釈の技術100」は最難関大学レベルを目指す受験生を対象としています。そのため、基本的な英文法や英単語は習得済みであることが前提です。基礎的な英語力がない人が使っても、おそらく歯が立たないでしょう。英語が苦手であれば、同シリーズの入門英文解釈の技術70、基礎力がある人は基礎英文解釈の技術100を先にマスターしておくことが望ましいです。基礎英文解釈の技術100をやりこんでおけば、ほとんどの難関大の入試に対応できます。本書は、さらに実力を伸ばして最難関大学を目指したい人がやるべきレベルです。

2.英文解釈の技術100の特徴とメリット

多くの受験生に愛され、使われ続けている参考書には明確な理由があるものです。ここでは、「英文解釈の技術100」の特徴やメリットを紹介します。

2-1.構文を学べる

「英文解釈の技術100」は、実際に入試で出題された英文を提示し、重要な構文を抜きだして構造を解説していく形式です。解説では、英文内のそれぞれの単語が文章においてどのように機能し、どのような構造で成り立っているかが丁寧に説明されています。そのため、1つずつの構文を読解したりきれいな和訳をしたりするテクニックを習得することが可能です。掲載されている例題は100題と数多く、定番のものから難易度がハイレベルなものまで網羅されているため、充分な学習ができるでしょう。

2-2.解説が充実している

本書の解説は、5行ほどの例題文に対し約2ページにわたって構文が整理されて品詞分解などの解説がされていて非常に充実しています。ほかの英文解釈の参考書と異なる点は、英文のそれぞれの単語にS(主格)やV(動詞)、C(補語)といった品詞が書き込まれている点です。さらに、修飾語がどの単語を修飾しているかも示され、関係代名詞や関係詞、仮定法など多くの受験生が苦手とする箇所が重点的に取り上げられています。英文を正確に解釈するうえにおいて、品詞の種類や修飾・被修飾の関係を把握することは非常に重要です。本書の解説を読み込むことで、英文の構造を読み解く方法が分かるようになります。

すると、まっさらな英文に出会ったときにも、その構造を瞬時につかめるようになるのです。これが、「英文の読解力を身につける」ということです。100題も例題があるため、やりこめばかなり高い読解力が養成できるでしょう。また、和訳例が提示され、その訳にいたる思考のプロセスも詳細に説明されているため、「この構文はこのように訳すのが適切」といったことが理解できます。

2-3.音声CDが付属している

「英文解釈の技術100」には、英文読解の参考書としては珍しく音声CDが付属しています。これは、本書を使う際の大きなメリットといえるでしょう。なぜなら、音声CDをうまく活用して学習に取り込めば、読解力を飛躍的に高められるからです。もちろん、読むだけでなく聴いて英文を確かめることもできるので、音読の練習やリスニング対策として使うのにも優れています。入試においては、リスニング力を高めることはとても大切です。

センター試験が大学入学共通テストに移行すると、英語のリスニングの配点が50点から100点へと変更されます。また、問題文が「1回読み」になることもほぼ決定されています。つまり、大学入学共通テストでは「英文を1回聞いてすぐに理解できるレベルのリスニング力」が必要となるのです。音声CDは、その対策として効果が期待できます。

3.英文解釈の技術100を使った効果的な学習方法とは

「英文解釈の技術100」は、優れた参考書ですが、高い学習効果が得られるかどうかは使い方次第です。ここでは、どのように使うと効果的なのか、4つのポイントを紹介します。

3-1.単語や構文を覚える

「英文解釈の技術100」は、最難関大学受験レベルを対象とし、実際の入試問題から引用しているために、掲載されている英単語のレベルが高いです。そこで、まずはしっかりと英単語を覚えることが大切です。ちなみに、「英語の長文を読んでいて知らない単語があったときは前後の文脈から意味を類推して読み進める」という指導を受けたことがある人もいるかもしれません。これは、知らない単語が1、2語程度しかないときは有効な方法です。しかし、1つのパラグラフに知らない単語が5語も6語もあるときは、とても読み進めることはできません。無理に読んでも正確な解釈ができない可能性が高いです。

そのため、本書の例題に挑戦してみて知らない言葉がいくつも出てくる人は、別の単語帳なども使って英単語をしっかり覚える必要があります。本書に出てくる構文や文法なども、大学入試に頻出のものが多いので一通り押さえておくことが大切です。単語や構文、文法の解説が非常に豊富なので、1冊やりこめばかなりの力がつくでしょう。英文をベースに重要な英単語や構文、文法を習得するスタイルのため、実践的な力がつきやすく、応用力も磨かれます。

3-2.音声CDを活用する

英語は、日本語と大幅に語順が違うため、英文を読むときにあちこちの単語にとんで意味を考える経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、時間に限りのある入試のときに、そのような悠長なことはしていられません。スピーディに長文を読み解くためには、英語を英語の語順のまま理解できる力が必要です。そこで、付属の音声CDを聞いて文意を考える練習をしましょう。これを行うと、英語の文章を語順のまま理解できるようになったり、速読しやすくなったりすることが期待できます。こうなれば、長文の読解力が飛躍的に向上するでしょう。

音声CDは、リスニング対策にも有効です。リスニング力を鍛えるなら、音声を再生して少し遅れてそのまま追いかけて発音するシャドーイングという方法で練習してみましょう。このとき、なるべくCDの音声通りのリズムやイントネーション、アクセント、発音などを真似ることが大切です。非常に集中力のいる練習方法ですが、英語特有のリズムやイントネーションを再現して発音できるようになれば、その音もスムーズに聞き取れるようになります。

音声の聞き取り練習は、始めてもすぐに目に見えて効果が出てくるものでもありません。しかし、継続して英語の音に慣れていけば、入試のときには確実に差が出るでしょう。

3-3.ノートを用いる

例題の英文を和訳するときは、頭のなかで思い浮かべて済ませてはいけません。必ずノートを用意し、きちんと和訳を書いて練習しましょう。これは、頭のなかだけで考えると、できたつもりでも実際には文法を正しく訳せていなかったり重要構文が正確にとれていなかったりすることがあるためです。思い浮かべるだけでは、ミスがあっても視覚的に確認できないために見逃しやすくなります。そこで、きちんとノートに書きだすことが必要なのです。こうすると、構文や文法、単語などを正しく理解して正確に訳せているかだけではなく、本書の解答例と比べて自分の訳した文章の精度はどうだったかも確認できます。

訳していて、知らない単語があってもすぐに解答を見ることはやめましょう。辞書で単語の意味を調べるのは構いません。そのうえで、自分なりに訳し、終わってから解答を確かめるようにします。

3-4.反復練習する

「英文解釈の技術100」は、問題集のように実力をチェックするために使うよりも、重要な構文や文法を覚えるために使うほうが効果的です。「1度和訳して解説に目を通したら終わり」では、英語力はほとんど養われません。何度も繰り返して和訳練習をすることが大切です。2周目以降は、解説に書かれていた構文や文法を思い出し、正しいプロセスで訳せるように意識します。反復練習は、最低でも5周することが望ましいでしょう。繰り返すときは、速読することや正確に訳すことを意識することも大切です。

文法や構文がどこまで理解できているかにも注意しましょう。音声CDも活用し、書かれた英文がすらすら暗唱できるレベルまでになっておくと、かなり英語力が磨かれます。

英文解釈の技術100はハイレベルな英文読解力の習得に最適

「英文解釈の技術100」は、英文読解の参考書のなかでもハイレベルです。徹底的にやりこめば、読解力や和訳力、速読力を高い水準まで磨けます。難関大学や最難関大学を目指すなら、腰を据えて本書に取り組むことでライバルと差をつけられるでしょう。最難関大学のなかでも、慶応大学を目指す人は、個別指導塾の「下克上」の活用がおすすめです。下克上には、慶応大学に短期合格するためのメソッドがあります。

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