英語長文の問題集の選び方とは?効果的な学習方法やおすすめ教材も紹介

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英語長文は、センター試験(または共通テスト)や2次試験で出題されることが多い重要な問題の一つです。英語長文は、読解力や文法などさまざまな能力が要求されるため、教材選びが大切になります。しかし、必要な知識や能力が多岐にわたるため、なかなか対策できていない人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は英語長文を効率よく勉強するための問題集の選び方や使い方について解説します。

1.英語長文の問題集を選ぶポイント

まずは基本的な、英語長文問題集の選び方についてご紹介します。本屋にいけば数えきれないほどの問題集があります。どれを選ぶべきなのか、そしてどれがどれくらいのレベルなのかを判断するのは難しいですよね。定番といわれている問題集もありますが、合う合わないもあるので、自分で判断するときの基準として参考にしてください。

1-1.英文の質は優れているか

判断しにくいと感じるかもしれませんが、英文の質を重視してください。ここでいう英文の質とは、重要構文や重要表現パターンなどが的確に盛り込まれているかどうかのことを指します。簡単であったり、難しすぎたりする文を使用して問題を作っても、受験生の力とはなりません。解説を見たときに、文の構文などの解説があるかどうかを見てみると良いでしょう。問題集にも質に多少の差があるのは事実です。長文問題の練習をしつつ、同時に構文の勉強もできるほうが効率として良いのは間違いありません。できるだけ英文の質が高い問題集を選びましょう。

1-2.解説は充実しているか

問題文と同等に重視してほしいのが解説部分です。解説部分は、正否だけでは足りません。正しい解答になる根拠、そして間違えやすい解答になってしまう理由まで書かれていることが理想です。大事なのは答えが合っているかではなく、自分の考えた解答までのプロセスが正しかったのかを確認できること。非の打ちどころがない問題集は、解答までのプロセスだけでなく、文中の構文、文法、そしてその他の表現パターンまでも解説してくれています。解説が充実した問題集は、問題を解きながら英文読解や速読に必要な力が身につけやすい傾向です。問題集を選ぶときは、解説から先に見てから選んでも良いでしょう。

1-3.自分の実力・目的にマッチしているか

問題集選びで最も難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。自分の実力に合った問題集を選ぶべきなのは分かっていても、自分で判断できれば苦労しません。英語長文の問題集の数は、特に多くレベルや内容の構成もさまざまです。あまりに簡単すぎれば効果は薄いですし、難しすぎればなにも理解できません。読解スピードを上げたり、和訳力が身についたりする自分の実力にあった問題集を選ぶことが大切です。一番の判断は、やはり実際に中を見て特に解説部分を読んでみることでしょう。「解説が理解できるか」「知らない単語ばかりの長文でないか」を基準に判断してみてください。

また、問題集の最初のページに書いてある「どのような受験生に向けて作られているのか」について読むのも方法の一つです。自分の強化したい目的に合ったものを見つけましょう。

2.英語長文問題集の効果的な使い方

ここからは、自分に合った英語長文問題集を使って、どのように勉強を進めていくべきかをご紹介します。ただ長文を読んで問題を解くだけでは、どれだけ良い問題集を使っていても勉強の効果は減少してしまいます。数をこなすことも大切ですが、一つ一つの長文をどれだけ丁寧に取り組んだかも合格を左右する要素です。今まで英語長文をただ読むだけで復習などもしなかった人は、ぜひ参考にしてください。

2-1.解説を読み込む

解答が合っている場合、解説まで読まない人もいるのではないでしょうか。受験勉強では、自分の答えが合っていても間違っていても、解説を読むことが大切です。「解答に至るまでのプロセスは正しかったのか」「他のプロセスはなかったのか」について確認しましょう。また、良い問題集では解説中に構文の解説や読解テクニックなどの解説も盛り込まれています。英語長文は、数をこなすことも力をつける手法の一つですが、読解テクニックも速読力をつけるために必要です。解説を隅から隅まで読み込むことで、長文英語の問題の応用力がアップするため、繰り返し読み込むと良いでしょう。

2-2.付属CDなどの音声を活用する

英語長文をただ読んでいるだけの人は、損しているかもしれません。付属のCDがあれば、活用しましょう。今では、ネットに音声データを載せている問題集もあります。音声で英語長文を聞いたほうが良い理由は、目で読むだけでなく耳から聞くことでフレーズなどを記憶に定着させるためです。英語は、熟語や構文など決まったフレーズも多くあります。特に、文法問題や熟語問題では、出やすいフレーズなども多い傾向です。ただ、目で見るだけではなく、聞いておくことで英文のリズム的なものも身につけることができます。

英文を英文として理解することは、速読力アップやリスニング対策にも効果的です。センター試験から移行する大学入学共通テストでは、リスニングの配点が2倍になるとされています。英語長文の読解能力をつけつつ、同時にリスニング能力も鍛えることで効率よく英語の対策ができる問題集を見つけましょう。

2-3.同じ問題を繰り返す

意外かもしれませんが、英語長文も繰り返し解くことが大切です。数学などであれば、納得するかもしれませんが、なぜ英語長文も複数回取り組まなければいけないのでしょうか。なぜなら、良質な問題集に載っている英語長文は、受験に出やすい構文や表現を含んでいる場合が多いからです。むしろ、繰り返し読んで暗記してしまうくらいの気合いで取り組んだほうがよいでしょう。英語は、表現や熟語、単語などを知っているか知らないかの知識で得点できることもあります。

何度も取り組むことで重要なポイントに目が行く習慣がつき、新しい英語長文に出会っても、目をつけるべきポイントの判別がしやすくなるでしょう。新しい問題集ばかりに手をつけるのではなく、今ある問題集を再度解いてみると新しい発見があるかもしれません。

2-4.他の教材も併用する

英語長文中の構文や、表現をその都度勉強するのも良いですが、それでは完全に網羅することができません。構文は構文の参考書、熟語は熟語の参考書など他の教材も併用してカバーしましょう。先にそのような知識を頭に入れてから問題集に取り組むことで、復習をしつつ知識を定着させることが期待できます。長文問題集の中には、文法や単語などの解説も記載されている場合もありますが、長文問題集だけで重要な単語、表現を完全に網羅することは不可能です。

解く力を効率よく上げるためにも、知識のところで無駄に時間を使わないようにしましょう。長文問題集のみで対応しようとする人がいますが、圧倒的に効率が悪くなります。各分野に特化した参考書を併用することで、さまざまな入試の問題に対応できるようになるでしょう。また、効率を重視するあまり、基礎をおろそかにしないことも重要です。

3.おすすめの英語長文問題集を目的別に紹介

英語長文も、目的別にさまざまありレベルや到達したい目標に応じて選択することが必要です。ここでは、定番かつ人気の参考書をピックアップしながら、どの長文問題集がどのような目的をもって作られているかを解説します。

3-1.速読なら「英語長文ハイパートレーニング」

受験生なら1度は目にしたことがあるといっても過言ではないくらい有名な、安河内先生の「英語長文ハイパートレーニング」(桐原書店)です。これは、付属CDもあり「リスニングの練習もできること」「速読能力を身につけられること」がポイント。もちろん、長文読解についての解説も丁寧で分かりやすいため、まずは取り組んでおきたい参考書の一つです。難易度は「超基礎編」「センターレベル編」「難関編」の3つに分かれています。このシリーズだけでは問題数が少なく、完璧に対策できるわけではありませんが、シリーズを通して使うと良いでしょう。

安河内先生の解説には定評があり、ある程度英語長文に自信のある人でも超基礎から取り組んでも良いかもしれません。意外と知らなかった知識に触れられるチャンスがある問題集です。

3-2.精読なら「基礎英語長文問題精講」

英語長文は、なにも速読だけが正義ではありません。長文を正確に読むことができて、初めて速読ができるのです。その精読に必要な知識や技術を身につけられるのが、「基礎英語長文問題精講(改訂版)」(旺文社)です。この英語長文問題集はロングセラーで、長年受験生を支えてきました。構文の解説、文章のつながりや読解のポイントなどがシンプルながらまとめられていることが特徴です。また、長文の数も50とちょうど良い量で、やり切れる達成感もあるでしょう。

文章の質がとても良く、実際に出題された長文から抜き出している文章もあります。レベルとしては、MARCHから中堅国公立大学レベルです。この1冊で基礎から応用まで網羅されているため、英語長文の読み方を身につけつつレベルを引き上げることができるでしょう。受験生なら必ず取り組んでおきたい問題集といえます。

3-3.和訳・読解なら「英文解釈の技術」

こちらも定番かつ大人気のシリーズ本、「英文解釈の技術」です。このシリーズは「入門英文解釈の技術70」「基礎英文解釈の技術100」「英文解釈の技術100」の3つがあります。どのシリーズも共通して5行程度の英文に対して、ズラリと解説が書いてある充実ぶりです。これらを読み込むだけで、英語長文の解釈はほぼ網羅できます。「入門英文解釈の技術70」は、本当の基礎から解説してくれているため、そもそも英語長文の読み方が分からない人はここから始めましょう。難しい長文もスラスラ読めるよう、まずは入門からです。

「基礎英文解釈の技術100」は、名前に基礎と書いてあるため優しそうですが、実際は中堅レベルまで網羅する難易度です。しかし、臆することはありません。徐々に難易度が上がっていく問題順になっており、無理せず実力アップができます。「教科書くらいの英語長文は読める」という人は、最初からこちらに取り組んでも良いでしょう。解説は、かなり丁寧ですので、理解に苦しむこともありません。

最後の「英文解釈の技術100」は、かなり難しい問題集です。難関大学以外の普通の大学を志望しているのであれば、取り組む必要はありません。「周りに受験にもっと差をつけたい」「どんな難しい英語長文が出ても読めるようになりたい」という人はぜひ取り組んでみてください。

英語長文は自分に合う問題集を選んで実力を伸ばそう

英語の長文問題集は、良質の文と充実した解説が記載されているものを選ぶことが重要です。自分のレベルや目標に合う問題集を見つけたら、解説を読み込み、CDを聞いてひたすら反復しましょう。英語長文は、大学によって出題傾向が異なります。もし難関大学や、特に慶応大学を目指しているのであれば、メソッドや学習方法のサポートが受けられる個別指導塾の「下克上」を利用してみてはいかがでしょうか。

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