受験生におすすめ!1日10時間勉強するコツと実践法

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高校3年生の夏休みは、受験の鍵を握るといっても良い重要な時期です。実際、高校3年生の夏休みの平均的な勉強時間は10時間ともいわれています。ただ、10時間も勉強するのは簡単ではなく、自分にもできるか不安に思っている受験生も多いのではないでしょうか。そこで、今回は夏を控えた受験生に向けて1日10時間を目安として勉強していくコツを解説します。

1.1日10時間勉強にこだわり過ぎなくてもよい

受験生にとって、勉強時間を確保することは大きな課題です。大学受験の試験範囲は、途方もなく膨大であるため、いくら質の高い勉強をしたとしても勉強時間を確保できなくては広い範囲を網羅することはできません。そのため、できることなら1日10時間は集中して勉強に取り組みたいところです。しかし、勉強はただ時間をかければ良いわけではありません。もちろん、1日10時間という目標を立てて勉強することは大切ですが、勉強時間ばかりにこだわり過ぎると自分を追い詰めてしまうこともあるのです。

例えば、目標としていた1日10時間の勉強がその日はできなかったとしましょう。しかし、いちいち「今日は10時間できなかった」と落ち込んでいては、受験勉強はうまくいきません。1日10時間とは、あくまで勉強時間の目安であり、学力を向上させるための手段です。大切なのは、単に勉強時間を確保することではなく、その日できる勉強を効率よく消化するということです。「机に向かった時間が10時間を超えていれば良い」ということではありません。

そのため、1日10時間の勉強にこだわり過ぎる必要はないのです。むしろ、目安の時間ばかり追いかけて、集中せずに10時間だらだら勉強しても成果にはなりません。時間は、あくまで目安に過ぎず、重要なのは勉強量を最大化させて成果につなげることです。

2.1日10時間勉強できるようになるコツ

1日10時間を目標に勉強を始めるなら、集中して有意義に取り組めるように意識することが大切です。それでは、どのようにすれば10時間もの勉強時間を確保しつつ、しかもその時間を有意義な勉強時間として消化することができるのでしょうか。詳しく検証してみることにしましょう。

2-1.1日のプランを立てる

長い時間、集中力を持って勉強に取り組むためには、まず1日の最初に「今日はどのような勉強をするのか」についてプランを立てることが大切です。そもそも、10時間もの長い時間、勉強し続けるには、強い根気と体力が必要になります。その際、1日のゴールがないと途中でだらけてしまったり、ただがむしゃらに時間を費やすだけになってしまったりしかねません。その点、1日のプランをしっかり立てて勉強に臨めば、見通しが立って勉強しやすくなるため、振り返ってペースを調整することなどもできるようになるでしょう。

ただし、1日のプランを立てる際は、自分の性格に合ったやり方で計画を立てることも重要です。例えば、人によっては追い込まれると力を発揮するタイプもいれば、リラックスしている状態のほうがはかどりやすいというタイプもいます。追い込み型の場合、その日やるべきことを時間いっぱいの分量で設定して、自分を追い込みながら勉強したほうが集中しやすいでしょう。一方、リラックス型なら、ある程度余裕のある柔軟な分量で、1日にやるべきことを設定したほうが効率的かもしれません。

このように、「勉強のプランをどう組み立てるか」は好みや性格によって変わってきます。そのため、まずは自分に合ったプランがどういうものなのか試してみて、長時間の勉強に挑戦してみましょう。

2-2.勉強を習慣化する

これまであまり勉強をしてこなかった人が、いきなり10時間勉強しようとしてもなかなか難しいのが現実です。勉強に慣れていない人が突然長時間の勉強に挑戦しても、結局集中力が持たずに断念したり、できたとしても3日坊主で終わってしまったりすることも十分に考えられます。そのため、長時間の勉強に慣れていない人は、まず勉強することを習慣化することから始めてみましょう。

例えば、いきなり10時間ではなく「この先2週間は1日5時間勉強してみる」といったように、自分に適した期限と勉強時間で課題を設定してみるのも方法の一つです。この課題の目的は、勉強するのが当たり前の状況を作ることにあります。実際、一定の期間だけ目標をこなし、期限を終えていったん勉強をやめてみると、今度は勉強をしないことに違和感を覚えるようになるでしょう。

このように、勉強することが普通の状況に持っていければ、長時間の勉強を自分に課しても、あまり苦しさを感じずに課題をこなせるようになるのです。また、たとえ1日5時間であっても、毎日集中して勉強に取り組めば成績は上がっていきます。成績が上がれば、自分が頑張って勉強した成果を体験として感じられるので、より一層勉強に励むきっかけにもなるでしょう。そのため、例えば模試の直前の2週間は頑張って長時間勉強してみるなど、直近の目標を設定して勉強を習慣化してみるとより効果を感じやすくなります。

2-3.勉強中は集中を遮るものをシャットアウトする

勉強は、集中して取り組まなければ長時間やっても意味がありません。そのため、集中して取り組むためにも、勉強中は集中を遮るものを徹底的にシャットアウトするようにしましょう。例えば、SNSの通知がオンになっていれば、通知が来るたびに集中が途切れる可能性が高まります。そのため、勉強中はSNSの通知をオフにして、集中して取り組める環境を整えましょう。

また、集中して勉強しているつもりでも、近くに漫画やスマホがあると、つい手に取ってしまいがちです。漫画やスマホは、なるべく手の届かないところに隠して、とにかく机に向かって勉強に集中できる状況を作りましょう。テレビもコンセントを抜いて観られない状態にするなど、集中を遮りそうなものは徹底的に排除しておくことが長時間勉強の鉄則です。

2-4.適度な休憩を取る

どれほど集中力のある人でも、10時間ずっと集中して勉強できるわけではありません。むしろ、集中して勉強に臨むためにも、適度な休憩は不可欠です。休憩といっても、何か特別なことをする必要はありません。いったん手を止め、とりあえず目をつぶっているだけでも頭は休まります。机に頭を突っ伏して、軽い昼寝をしてみるのも良い休憩方法です。ただし、軽い昼寝を取るときは、寝過ぎると逆効果になるため、少し窮屈な姿勢で眠るなど、起きやすい状況を作ってから寝るようにしましょう。

集中力を持続させることにとっては、休憩時間を軽い運動に使ってみるのも効果的です。勉強していると、ずっと同じ姿勢でいることになるため、血行が滞って体がだるくなりがちです。ストレッチをしたり、軽い筋トレをしたりすると、体の血行が良くなって、頭もさっぱりしてきます。途中で勉強場所を変えることも、移動するのが軽い運動になるうえ、場所が変わって良い気分転換にもなるのでおすすめです。

ただ、休憩と称して漫画やスマホをいじるのは良くありません。SNSを見たり、ゲームをしたりしてしまって、休憩どころかスマホやゲームに夢中になってしまうことがあるので、休憩中もスマホや漫画はなるべく触らないように心がけましょう。

2-5.集中できる時間に重めの科目を勉強する

長時間勉強し続ければ、後半は誰でも疲れてきてしまいます。疲れてきた後半に、苦手な科目や難しい科目をやろうとすると、なかなか集中しきれずに勉強もはかどりません。そのため、苦手な科目や重めの科目は、集中力が高い前半に持ってきたほうが効率的です。特に、午前中は脳も体もまだ疲れておらず、最も集中しやすい時間帯だといわれています。この時間に苦手科目や難しい科目を設定しておけば、質の高い勉強ができて知識も身につきやすくなります。1日の後半は自分の得意な科目や、単純な暗記科目などに使ったほうが、最後までだらけずに勉強しやすくなるでしょう。

3.1日10時間勉強をこなすためのテクニック

1日10時間もの勉強をしっかりやり遂げるためには、根気と体力を維持するためのテクニックも重要です。ここでは、1日10時間の勉強をこなすために、知っておきたいテクニックについて解説します。

3-1.1~2時間で1セットとして勉強する

人間の集中力には、限界があるといわれています。実際、人間の脳には集中力の限界があり、90分以上集中して何かに取り組むことは、脳の機能上不可能だとされているのです。そのため、10時間勉強する際も、いわば時間割のようなものを設けたほうが効率的でしょう。例えば、脳の限界を目安に1~2時間を1セットと設定し、セットの合間に休憩を挟んでいけば、ちょうど集中力が切れる時間に休憩が取れるため、より効率的な勉強ができるようになります。

また、セットごとに勉強内容を変えてみるのも良いでしょう。そうすることで、1セットの区切りがはっきりして、1科目により集中して取り組みやすいうえ、内容がガラリと変われば程よい気分転換にもなります。

3-2.朝の時間帯に1セットはやる

1日10時間勉強するためには、朝の時間帯をぜひとも有効利用したいところです。特に、起床直後は睡眠によって脳がリセットされ、1日のうちで頭が最も活性化しやすい時間帯といわれています。この時間に、1時間程度でも良いので勉強を1セットは入れるようにしてみましょう。起き抜けの勉強は、目を覚ますのにちょうど良い作業でもあります。そのうえ、移動や食事を挟むことで、いったん集中力をリセットすることもできるため、朝は少し早起きして勉強時間を確保しましょう。

3-3.夜の時間帯にも1セットやる

起床直後だけではなく、就寝直前の時間帯も有効利用しましょう。寝る前の時間帯は、記憶の定着に最適だといわれています。人間の脳は、寝ているときに記憶の整理をしているため、寝る前に覚えたことは記憶に定着しやすいといわれているのです。しかも、夜の時間帯は学校や塾から帰ってきたり、夕食を取ったりして集中力が一度リセットされています。

リセットされた直後の時間は、より集中して臨みやすくなるため、夜の時間帯にも1セットやるのはとても効率的です。夜は、なるべくリラックスして、スマホをいじる時間も欲しいかもしれませんが、そういう時間を勉強にあてられるかどうかで成果も変わってきます。

3-4.カフェで勉強する

勉強は、基本的に自宅や塾の自習室などで行うものです。ただ、いつも同じところで勉強していると、生活にもメリハリがなくなり、勉強自体がマンネリ化してしまうこともあります。そのため、適度に勉強場所を変えてみることも、集中力を持って長時間勉強する方法の一つです。例えば、勉強場所としてカフェを使うことも選択肢に持っておきましょう。

カフェで勉強をしていると、他にも同じように勉強している人を見かけることもあり、自分も頑張ろうと思えるきっかけになることがあります。また、カフェというのは基本的にリラックスできる空間を目指して作られています。適度なBGMがかかっていたり、コーヒーの落ち着く香りが漂っていたりなど、実は意外と集中して勉強しやすい環境が整っているのです。

お店によっては、おかわりコーヒーをしているところもあり、2杯目以降が半額になったり、安くなったりすることもあります。コーヒーは、集中力を高めてくれる効果もあるといわれているので、コーヒーを飲みながらカフェで勉強してみるのも10時間勉強のテクニックの一つです。ただし、コーヒーの飲み過ぎは、カフェイン摂取が過剰になり頭痛など副作用が出る可能性もあるため、気をつけましょう。

4.1日10時間勉強しても勉強方法を間違っていては効果がない

受験に向けて、長い時間勉強する心構えは非常に大切ですが、たとえ1日10時間勉強していても、勉強方法を間違っていては成果を上げることはできません。よくある間違った勉強法としては、例えば問題集を1回しかやっていなかったり、たくさんの問題集に手を出していたりといったことがあります。問題集というのは、複数のものをたくさんやるより、1冊をとことんやり込むほうが効果的でしょう。なぜなら、問題集は単に問題を解くことが目的ではなく、得意分野と苦手分野を仕分けて記憶の定着を図ることが目的だからです。

そのため、1冊の問題集をとことんやったほうが、自分の得意分野と苦手分野がはっきりし、かつ反復練習によって記憶の定着を図りやすくなります。また、単語や漢字から覚えようとする勉強法も間違いです。いきなり単語を覚えようとしても、「その単語がどのように使われるのか」「どういう意味を持つのか」について理解していなければ、本当の記憶の定着は実現できません。物事を覚えるには決まった手順があり、まずは全体を把握することが重要です。

全体を把握してこそ、細部の意味もはっきりしてきます。このように、1日10時間勉強しようとするなら、単に時間だけを確保するのではなく、正しい勉強方法をしっかり身につけることも重視するようにしましょう。

1日10時間にこだわらず勉強量を最大化できるように心がけよう

1日10時間を目標に勉強することは、決して間違った勉強法ではありません。しかし、時間にこだわり過ぎれば、本当の目的を見失ってしまうこともあります。受験勉強における本当の目的とは、成績を向上させて大学受験を突破することです。そのため、長時間勉強するコツやテクニックも参考にしつつ、自分の成長できるペースをつかんで、勉強量を最大化できるように心がけましょう。

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