TEAPとは?他の英語試験との違いや対策のポイントなどについて徹底解説

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大学受験を控えている高校生や受験生はTEAPという英語試験のことを聞く機会も多くあるでしょう。

しかし、どのような試験なのかよくわからないという人もいるかもしれません。

この記事では、TEAPの概要やほかの英語試験との違い、試験内容とそれぞれの対策ポイントなどについて解説していきます。
TEAPを受験しようかと考えている受験生の皆さんはぜひ参考にしてみてください。

 

1. TEAPには2種類ある

 

一口に「TEAP」と言っても、TEAPには通常の「TEAP」と「TEAP CBT」という2つの種類があります。

どちらも主に高校3年生を対象として開発が行われたテストです。

しかし、それぞれがどのように違うのかはよくわからない人もいるでしょう。
そのため、ここではそれぞれの概要について説明していきます。

 

1-1.TEAP

 

TEAP(ティープ)は実践的な英語運用能力を正確に測るためのテストで、日本英語検定協会と上智大学が共同で開発しています。

そもそも「TEAP」とは「Test of English for Academic Purposes」の略称で、
大学教育におけるアカデミックな場面で使える英語能力を身につけることを目的として作られました。

TEAPでは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングという4つの技能に関して試験が行われるのです。
それぞれ100点満点で合計400点満点となっています。
なお、リーディングとリスニングの2技能に関する試験だけを受けることも可能なので、
リーディングとリスニング力のみのレベルを計りたい人にもおすすめのテストです。

成績はスコアとCEFR、TEAP CSEスコアで表示されます。
CEFRは世界中で利用されている語学の国際基準となるものです。

1-2.TEAP CBT

一方のTEAP CSEスコアはCEFRに関連させて開発したユニバーサルなスコア尺度となっています。
そのため、TEAPを受験することで、国際基準で見た場合の英語運用能力が測れるのです。

また、受験が終わると全員に「TEAP Can-do statements」が配布されます。
これは大学レベルのアカデミックな場面での英語運用に特化したリストです。
このリストとスコアを併せて参照することで現在の受験者の英語力を把握しながら、
今後さらに能力を伸ばしていくためにはどんなことが必要なのかを見極めることができます。

現在の英語力ではどんなことができるのかも把握可能なので、現段階での自分の英語力を知るために活用するとともに、
今後能力を伸ばすために取り組まなくてはいけないポイントの分析にも使えます。
試験は場合により実施月が変更になる可能性もありますが、基本的には7月・9月・11月の年3回開催されています。
ちなみにTEAPのスコアは取得してから2年間有効です。

 

2.TEAPと他の英語試験との違い

 

英語外部検定利用入試(外検入試)に採用されている英語試験としては、TEAP以外に英検やTOEFL、TOEICなどが挙げられます。

受験生のなかには、これらの英語試験は受けたことがある人も多くいるでしょう。
ちなみに、外検入試とは外部で実施されている英語資格・検定試験の結果を大学入試の成績として利用する制度のことです。学校の定期試験だけでは実際の英語能力を測ることが難しいと考えられ、このような制度が設けられるようになりました。

英語試験のなかでも英検は、学校で習う内容に基づいて問題が作成されていることから、
総合的な英語力を測定できる外部検定試験として知られています。

外検入試に採用している大学が最も多いのが英検なので、高校卒業レベルの2級に合格しておくと利用できる可能性が高いでしょう。

一方、TOEICはビジネスで使用されることが多い英単語や英文に関係する問題が出題されています。
就職活動をしていくなかでも、TOEICの点数を聞かれることがあるなど、
企業が採用する人材としてふさわしいかどうかを判断するための基準のひとつとなっているのです。

そのため、ビジネスで使える英語力を身につけたい人や、就職活動を有利に進めるためなど、
将来を考えている人におすすめします。

また、TOEFLは留学をした場合に、現地で授業を受けたり日常生活を営んだりすることができる英語力があるかどうかを判断するために利用される外部試験です。
そのため、留学をしたいと考えている人は、受験してある程度のスコアを獲得することで英語力があることを証明することができるでしょう。

TEAPは日本版のTOEFLといわれることもありますが、
TOEFLよりも簡単で高校生が受けるのにはちょうど良いレベルとなっています。

 

3.TEAPの試験内容と対策のポイント

 

ここからはTEAPの試験内容と対策のポイントについて、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4つの分野に関して紹介していきます。

 

3-1.リーディング

 

まず、リーディングはマークシート方式で設問は60問、試験時間は70分です。

リーディングでは、大学の授業で出てくるような語彙や英文の読解力があるかを問う問題が出題されます。
語彙のレベルは英検準2級から準1級程度のものです。

たとえば「paper」という英単語に対して、多くの人は「紙」と訳すことが多いですが、
大学の授業などで使われる意味としては「論文」という意味で使われることも多いです。
このような英文に即して使われた英単語の正しい意味が読み取れるかどうかも点数に大きく関係してくるでしょう。
特段難しい英単語が出題されるというわけではありませんが、アカデミックな意味や用法も理解していることが必要です。

また、英文も短文をはじめ、長文問題、図表を使った問題もあります。
なかにはEメールの内容を読み取る問題も出題されるなど、より実践的な内容となっています。
リーディング能力に対して、総合的な力が問われる問題が多くあります。
問題数も多く、制限時間内に読まなくてはいけない英語の量も多いので、スラスラと読み進められるかどうかが解答のスピードを左右してしまうのです。
そのため、英文を頭の中で日本語に訳す読み方をしているのでは、問題を解く時間が足りなくなってしまうかもしれません。
普段から英語を音読するなどして英文に馴染んでおきましょう。

また、長い英文を読むには、パラグラフごとのトピックセンテンスを見つけて全体の構造を掴みながら読んでいくことを心掛けることが重要です。

 

3-2.リスニング

リスニングもリーディング同様、マークシート方式で設問は50問、試験時間は約50分です。
授業や講義などで使われる会話と英文に関しての問題が出題されます。
問題はリスニング力を問うことができるように、長いものと短いものに加えて、図表の理解を組み合わせたものなどについて出されます。具体的には、大学での講義やプレゼンテーションの内容を聞き取れる英語力を持っているかが問われる問題です。
なお、リスニングの問題は1回しか流されないので、1度で要点を聞き取れる能力が求められます。

そもそも日常生活において英語を使うときには、何度も同じことを言ってもらえることも少ないでしょう。
一対一の会話であれば、わからないところを聞き直すことはできるかもしれませんが、授業で先生が説明している場合、1度で話された内容を把握しなくてはいけません。
そのため、TEAPのリスニング問題でより実践的な力がどれくらい備わっているのかを把握しておくと良いです。特に、ボリュームがある英文は聞きながら理解していく能力が必要になります。

はじめは難しく感じるかもしれませんが、英語の音声を流しながらその原稿を黙読する訓練を繰り返すことで、耳に入ってきた英語をそのまま理解する力が徐々に養われていくのです。
リスニング力を鍛えるには、日々少しずつでも英語の音声を繰り返し聞いていくことが効果的です。

 

3-3.ライティング

 

ライティングは、罫線つきの解答用紙に記述する方式で設問は2問、試験時間は70分です。

1問目では、3~4パラグラフの説明文や評論文を読んで70語程度で要約を作成する問題が、
2問目では、図表などを含む与えられた情報をもとに200語程度で自分の考えをエッセイ形式で書く問題が出ます。
要約文を作るときには、パラグラフごとに見つけたトピックセンテンスを参考にしながら全体の文章と読み比べて、足りない情報を追記していくのがコツです。エッセイを書くうえでは、自分の意見を論理的に述べることが大切です。

そのためにも、読みやすい構成を心掛けたり、全体のバランスに気を配ったりするなどの基本的なルールを知っておきましょう。
日頃から自分の考えを英文で書いてみるなど、英語で文章を書くことに慣れておくのがポイントです。

 

3-4.スピーキング

 

スピーキングは試験官と1対1の面接方式で設問は4問、試験時間は約10分です。

1問目では受験者の生活に関して複数の質問が投げかけられるので、英語で答えます。
2問目では与えられた質問事項に基づいたインタビューを試験管に行い、3問目では指定のトピックに関して30秒間準備してから1分間のスピーチをするのです。
最後は試験管から問われる社会的なトピックに対する答えを解答するといった流れになります。

スピーキング試験では、試験管に対しての相槌やアイコンタクトを意識的に行いましょう。
また、試験管へのインタビューのために、疑問文の作り方を勉強するのも効果があります。

1分間スピーチは慣れていないと難しいので、最初は日本語で論理的なスピーチができるように練習し、英文でも自分の意見が話せるように練習しましょう。
スピーチの練習では、あとで自分の発言を振り返れるように、録音しておくのがおすすめです。

 

大学受験ではTEAPを有効活用しよう

 

英語検定試験のひとつであるTEAPは高校生向けのテストなので、TOEFLなどと比べると難易度も低く挑戦しやすいでしょう。
英検と同様に外検入試にTEAPを採用している大学も多くあります。
そのため、まずは行きたい大学がTEAPを採用しているかどうかを調べてみてください。
採用している場合は是非活用して、受験を有利に進めていきましょう。

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