「チャート式数学」は何色を変えば良いの?色分けの特徴とともに解説

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チャート式数学は、学校の指定参考書になることも多いくらい定番の参考書です。夏休みの宿題になったり、学校で配られたりした人も多いかもしれません。しかし、何色もあるチャート式数学の意味やどのような特徴があるかはご存じでしょうか。そこで、今回はチャート式数学の色分けの意味や使い方、使用目安などさまざまな目線から解説していきます。

1.「チャート式数学」とは?

チャート式数学とは、大学受験を念頭に置いて作られた人気の参考書・問題集です。つまり、受験を前提として作られた最強の1冊といえます。また、圧倒的例題数と問題数から、今まで多くの受験生に支持された定番の参考書です。主に、チャート式数学を使うのは理系の方が多い傾向ですが、気合を入れなければ解ききれないほどの問題数が収録されています。多くの受験生に支持される理由の一つが、網羅性の高さです。薄い参考書では省きがちな類似問題も収録されており、「丁寧に数学を勉強したい」「数学を得点源としている」といった人には完璧な参考書でしょう。

難易度によって色分けがされており、難易度の高い順に赤、青、黄、白となっています。なお、「赤チャート」や「青チャート」という呼び方がありますが、通称であり正式名称ではありません。「チャート」だけだと、どの色を指しているのか分からないため、色を先頭につけることが多いのかもしれません。

2.「チャート式数学」の種類とそれぞれの特徴

それでは、気になる色ごとの特徴を説明していきます。自分に合うチャートは何色なのか参考にしてください。おおよそのレベルと、目指したいレベル別にも解説しています。難易度の高いものを解けばよいのではなく、あくまで自分に合うレベルのものを使うのが大前提です。特に、問題数の多いチャート式数学は、背伸びをしてしまうとなにも身につきません。

2-1.赤チャート

通常チャート式数学の中で、最も難易度の高い赤チャートです。基本的に難しい問題しか掲載されていません。そのため、「これから数学を学ぼうとしている」「基礎から数学を学びたい」といった人にはなにが書いてあるのかさっぱり分からない可能性があります。解説を読めば、なんとかなると思うかもしれませんが、もともと難しい問題を理解できる人向けの参考書です。解説もコンパクトでやさしくありません。すべての基礎を知っている前提で解説されるため、医学部や超難関大志望の人以外は見る必要すらないでしょう。

あまりに難しすぎて、大学受験レベルを超えているという意見もありますが、改定されてからは使い勝手が向上したという意見もあります。

2-2.青チャート

超進学校で最も多く配られているのが青チャートです。難関大学を目指す人や、進学校の指定参考書のものとして定番のイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。青チャートは、比較的基本問題も搭載されており、基本的な公式などを理解してから取り組んでも対応できます。1冊で基本から応用まで収録されているため、数学が得意な人は最初から青チャートに取り組んでも良いでしょう。赤チャートほど難しい問題は含まれていませんが、それでも難関大学を受験するには十分な難易度です。黄チャートと比較すると、ひねりのある問題があるため、解きごたえはあり知識の厚みが増すでしょう。

2-3.黄チャート

進学校や準進学校など、多くの学校で配布されるのが黄チャートです。進学校も上の方のレベルは、青チャートが多いですが、黄チャートも十分なレベルを身につけることができます。チャート式数学の中での難易度は3番目で、基本的な問題が多く搭載されています。数学の基礎を学んだあとの練習、知識の習得を目的として解いていくと良いでしょう。解説も細かく丁寧で理解しやすいため、自力で問題を解けなかったとしても復習しやすい傾向です。基礎に時間をかけたい人におすすめといえるでしょう。

青チャートと比較して難易度の高い問題は少ないですが、重要例題は実際の試験対策にもなるので決して劣ってはいません。むしろ、ほとんどの大学は黄チャートの内容で十分戦えます。数学で満点近くを目指したいわけでないのであれば、基礎に厚みを持たせられる黄チャートの方がおすすめです。

2-4.白チャート

一番難易度の低いのが白チャートです。初学者向けで、難易度としては教科書の例題や章末問題程度です。数学が苦手な人や、共通試験程度のレベルまでしか数学を使わない人はこの白チャートで十分でしょう。逆に、2次試験で数学を使う人は白チャートで満足していてはいけません。最低でも黄チャートに取り組むようにしましょう。学校の定期試験対策としても使えます。

2-5.その他のチャート

チャート式数学といえば、赤、青、黄、白の4種類が定番ですが、実は他にも種類があります。順番にご紹介します。

#スカイチャート
空色のチャートで、位置づけとしては入門用です。数学1+Aと、数学2+Bの2種類があります。

#緑チャート
大学入学共通テストに特化した、基本的な問題を搭載しています。チャート式の中でも、試験用に問題数を絞ったものです。

#紫チャート
入試レベルに特化したものです。文系・理系などのジャンル別に分かれ、自分が取り組みたい分野をさらに対策することができます。

#黒チャート
幻のチャートといわれることもあるくらい、難易度の高い問題のみ集められています。その難易度は赤チャートよりも高く、解く人もいないことから幻とされています。難関医学部や数学が好きな人はチャレンジしてみても良いでしょう。

基本は、赤、青、黄、白のチャートで問題ありません。しかし、時間に余裕がある場合や数学を得点源にしたい場合は、その他のチャートに取り組んでみてはいかがでしょうか。

3.「チャート式数学」を学習に活用するメリット

分厚いチャート式数学を使うメリットは、どこにあるのでしょうか。見た目の分厚さから嫌煙している人もいるかもしれません。定番の4種類すべてに共通していえることは、問題数の多さです。数学は、自分の中にいくつ解法を持っているかが勝負です。知らない問題にぶつかっても、「この解法とこの解法を組み合わせれば解ける」といった発想も数をこなしていないとひらめきません。たまに、解法はその場でひらめくものだと思っている人もいますが、違います。

数学は、事前に解法をどれだけ幅広く知っているかが勝負であり、その解法をアウトプットできるかが重要です。色ごとにメリットを確認していきましょう。

#白チャートのメリット
なんといっても取り組みやすさです。教科書レベル以上のことは載っておらず、数学が苦手な人でも理解できるようかなり丁寧に解説が作られています。定期試験対策としても使えるのは通知表にもつながりますし、文系で数学を使わない人も持っていて損はありません。

#黄チャートのメリット
基本の解法をアウトプット練習できるところです。公式を暗記しているだけでは意味がなく、どうやって使うかという能力が数学の得点につながります。基本的な問題を使ってアウトプット練習しておくと、どのような問題に出会っても大体が解けるようになります。

#青チャートのメリット
入試問題対策できるところです。青チャートをスムーズに解けるようになるまで攻略すれば、どこの大学でもほとんど問題なく解けるでしょう。指標の一つとして、青チャートは十分役割を果たしてくれます。

#赤チャートのメリット
青チャートで物足りない人、難関大学を受験する人に向いています。基礎問題より、難問でどれだけ点数を取れるかが勝負な難関大学において、最高の武器となるでしょう。

4.「チャート式数学」の基本的な使い方

せっかく分厚いチャート式数学も、十分活用できなければ全く意味がありません。ここからは、実践的にどのように使っていけば良いのか、そして目指すべきレベルもご紹介します。まず、数学は解けるまで悩む必要はありません。白と黄チャートは、解説が丁寧で理解しやすくなっています。数分考えて分からなければすぐに解説を見て理解しましょう。そして、再度解いて実際に自分の手を動かすことでアウトプットの練習をします。最初から解けなかった問題については、横に印をつけておくと復習のときに役立ちます。解けた問題も基本的に3回は繰り返して特養にすると効果的です。

2回目取り組む際には、必ず解けるよう1回目のときに完璧に理解しておくことが必要です。しかし、それでも理解できていなかった場合はさらに印を追加します。そうすると、自分の苦手とする分野や問題のパターンが徐々に分かってくるはずです。1回目ですんなり解けた問題も、たまたま解けたのか判断できない場合は期間を置いて2回目に取り組んでみても良いでしょう。また、例題の横に難易度のマークがついています。それぞれの難易度がどれくらいの目安なのかがチャート式の説明のページに書いてあるので参考にしてください。

すべての問題を3回以上解くまでは何周もするよう心がけるのも重要です。最初からすべての問題に取り組むのも良いですが、難易度別に取り組んでいくのも手です。特に、受験や試験までに時間がない場合は、基礎を幅広く身につけておく必要があります。必ずしもすべて前から順番に解く必要がないという考え方も知っておきましょう。取り組むべき目標を、レベルと残り時間から設定すると良いです。目標を設定することで、いつまでにどのぐらい勉強するかが明確になります。

5.「チャート式数学」を使うときに気をつけたいこと

これだけ良い参考書だからこそ、使うときに気をつけてほしいこともあります。自分に合ったレベルの色を選ばないと、無駄に時間を使うことになりかねません。なによりも基礎が大切な数学において、難問ばかりに取り組むのは時間の無駄です。基礎が身についていないと感じて白チャートを選んでも簡単すぎてレベルに合わない場合もあります。そのため、黄チャートにも目を通して自分のレベルにあったものを取り組みましょう。赤や青チャートを使っていることで頭が良くなったような気がするかもしれませんが、受験は周囲に頭の良さをアピールするものではありません。

「難関大学だから赤チャート」といった決め方をしてしまうと難易度が高すぎて役に立たない可能性があります。自分の学力と正直に向き合い、一番効率よく自分の学力を上げることができる色を選びましょう。また、白チャートは定期試験程度のレベルです。逆に2次試験で数学がある人にとってはレベルが足りません。迷ったら黄チャートがおすすめです。教科書レベルは完璧で、あとは入試に向けて対策したいという人は青チャートに取り組みましょう。チャート式数学は分厚い分、値段も高いです。合わないレベルを一気に購入してしまうと、お金の無駄にもなりかねませんので注意しましょう。

「チャート式数学」を使ってレベルに合った勉強をしよう

色ごとに分かりやすくレベルが分かれているチャート式数学。自分に合ったものを選べば学力アップは確実でしょう。自分で使うべきチャート式数学の色が分からない場合は、下克上のLINE@に登録するのもおすすめです。説明会の案内や、効率的に勉強するためのアドバイスなどを見ることができます。個別指導塾の下克上では、数学以外にも名門大学へ合格するための指導を行っているため、一度試してみてはいかがでしょうか。

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