仮面浪人のメリット・デメリットとは?成功させるためのポイントも紹介

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大学へ入学してみたものの、さまざまな理由で別の大学への進学を目指す「仮面浪人」。存在は知っていても、具体的にどういった人のことを指すのか、なぜ仮面浪人を選ぶのかなど、気になる点も多いのではないでしょうか。今回は、仮面浪人について詳しく知りたいという人のために、仮面浪人の基礎知識やメリット・デメリットなどについて紹介していきます。

1.仮面浪人とは

仮面浪人とは、大学に通いながら別の大学の入学試験を受けようとしている学生を指します。合格した大学に1度は入学したものの、やはり別の大学に通いたいと考え、現在の大学に在籍したまま志望大学の受験・合格を目指して勉強しているのです。ほかに通いたい大学がある場合、本来なら違う大学には入学せずに、浪人したり現在の学年からの編入を目指したりするのですが、仮面浪人はこういった方法は選びません。あくまでも現在の大学に在籍して単位を取りつつ、志望大学を受験します。

仮面浪人という道を選ぶ理由は人それぞれですが、一般的には「浪人して受験に失敗するリスクを避けたい」という狙いがあるケースが多いです。もし、浪人して受験に失敗すれば当然大学には通えず、そこからまた1年間自宅や予備校などで勉強を続けるしかありません。学生という肩書がなくなることや就職への影響などを心配し、浪人を敬遠する人も多いのです。もちろん、どの大学をいつ受験するかは本人の自由なので、仮面浪人が法律や社会的なマナーに違反することはありません。どうしても諦めきれない大学があるなら、仮面浪人で合格を目指すというのもひとつの選択肢です。

2.どんな人が仮面浪人を選ぶのか

仮面浪人を選ぶ代表的なケースは、第1志望の国立大学には不合格だったが滑り止めの私立大学には合格し、とりあえず私立大学に入学して再び国立大学への合格を目指すという場合です。特に、日本トップクラスの難関校である東京大学の場合、仮面浪人をしてでも合格を目指す人が数多くいます。もちろん、最初から本来の志望校を受験するつもりで仮面浪人を選ぶ人ばかりとは限りません。大学に入学してみたものの、自分が求めていた知識や経験ができず、結局ほかの大学を目指すというパターンもあります。

また、本当は浪人をして本来の志望校を再受験したかったのに、浪人することへの親の理解が得られず、仕方なく仮面浪人という形をとる人もいます。このように、仮面浪人を選ぶ理由は人それぞれですが、いずれの理由でもメリット・デメリットを正しく理解したうえで決断することが大切です。

3.仮面浪人の2つのタイプ

ひと口に仮面浪人といっても、その種類は大きく2つに分けられます。1つ目は、とりあえず入学した大学に通いながら、隙間時間を見つけては受験勉強を続けるタイプです。入学した大学の講義も受けるため、きちんと勉強していれば単位を取得することもできます。単位を取得しておけば、志望校への再受験に失敗してもスムーズに現在の大学の学業に戻れるため、大きなリスクはありません。ただし、現在の大学の勉強と受験勉強の2つを同時に進めなければならないため、負担はかなり大きくなります。大学生活にどれくらいの重点を置くかにもよりますが、勉強時間の確保が難しくなるでしょう。

2つ目は、入学した大学にすぐ休学届を出すなどして、籍だけ置いた状態で志望校の受験勉強に専念するタイプです。受験科目の多い国立大学への再受験を考えている場合、大学の講義を受けながら受験勉強を進めるのは難しいため、このタイプが多くなります。入学した大学へはほとんど行くことが無く、仮面浪人という定義にはなりますが、実際には一般的な浪人生と変わりありません。

4.仮面浪人のメリット

仮面浪人についての基礎知識は理解したものの、なぜわざわざ仮面浪人を選ぶのかがわからないという人も多いでしょう。次は、その気になるメリットを3つ紹介します。

4-1.受験に失敗しても保険がある

全国からライバルが集まる大学受験は、大学や学部によっては非常に競争率が高く、不合格になってしまうことも珍しくありません。受験生にとって不合格になる不安は計り知れず、「自分も失敗したらどうしよう」「親に迷惑をかけてしまう」など大きなプレッシャーを感じがちです。現役の学生でもそのような状態なので、1度受験に失敗している浪人生が抱くプレッシャーは言うまでもありません。この点、仮面浪人であれば、本来の志望校ではないにしてもすでに大学に合格して籍があるため、たとえ不合格になっても不安やダメージは小さいです。

これまでどおり来年の受験を目指してまた勉強を続けたり、現在の大学での学業に専念したりするなど、悪影響の少ない選択肢が残されています。このように、万が一受験に失敗しても、現在の大学という保険があるというのは大きなメリットです。不安から解放されることで、精神的に余裕をもって勉強できるようになるでしょう。

4-2.キャンパスライフで気晴らしができる

仮面浪人は、普段は入学した大学で学生生活を送ることができます。勉強に煮詰まったときやストレスがたまったときは、キャンパスライフを楽しんで気晴らしができるという点もメリットの1つです。入学した大学で友だちができれば、会話や遊びに出かけるなどして息抜きもできるでしょう。その友だちに仮面浪人であることを話していれば、悩みの相談に乗ってもらったり、受験を応援してもらったりできるかもしれません。

4-3.取得した単位を引き継げる可能性がある

仮面浪人のメリットには、取得した単位を引き継げる可能性があるという点も挙げられます。通常、大学に入学すると一から単位を取得しなければなりません。しかし、仮面浪人として大学の単位を取得しながら受験勉強をしていた場合、合格すれば取得した単位を志望校へ引き継げることがあるのです。単位の引き継ぎができれば、志望校に入学した後に一から授業を受け、単位を取得し直す必要がありません。時間と労力を節約できるので、浮いた時間を別のことに生かすことも可能です。

ただし、単位は必ず引き継げるわけではなく、大学や学部など一定の条件を満たす必要があります。無駄を省くためにも、単位を引き継げるかどうか確認したうえで受験すると良いでしょう。

5.仮面浪人のデメリット

仮面浪人にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあるため注意しなければなりません。メリットだけを見て仮面浪人を選ぶと後悔する可能性もあるため、これから紹介する3つのデメリットもしっかり念頭に置いておきましょう。

5-1.大学で孤立しやすい

仮面浪人は、ゆくゆくは志望校へ合格することを目指し、受験勉強をしながら大学生活を送ります。このため、仮面浪人ではない一般的な学生とは講義の受け方やキャンパスライフの楽しみ方などが異なり、大学で孤立してしまうことも少なくありません。受験勉強の時間を確保する必要があるため、せっかく友だちができても遊びの誘いなどを断らなければならない場面が多いでしょう。もともと人付き合いが得意で賑やかな環境が好きな人の場合、孤立した状況がつらく、ストレスに感じてしまうかもしれません。

また、仮面浪人だということを同じ大学の人には告白しにくいという問題もあります。告白すれば、「いずれ出ていくのか」「この大学は滑り止めなのか」など、ネガティブな印象を持たれ、人間関係がこじれてしまう可能性もあるでしょう。

5-2.勉強時間を確保するのが難しい

大学の講義を受けながら仮面浪人をする場合、単位取得の勉強と受験勉強を同時に進めなければなりません。一般的な学生や浪人生であればどちらかに集中できるところ、両方ともしっかり勉強するとなれば膨大な勉強時間の確保が必要です。取得したい単位の内容や受験科目などにもよりますが、勉強時間を十分に確保するのが難しい点は注意したいデメリットです。しかも、大学にはサークル活動や友だちとの飲み会など遊びの誘惑が多く、集中して勉強できない可能性もあります。キャンパスライフが忙しく充実していると、モチベーションを保って受験勉強を続けるのが難しく、志望校の受験を諦めてしまうかもしれません。

5-3.コストがかかる

仮面浪人をする場合、勉+AC5強時間やモチベーションといった問題以外に、コストがかかるという点も大きなデメリットになります。仮面浪人では合格した大学にとりあえず入学するため、入学費用や年間の授業料などを支払わなければなりません。私立大学であれば、100万円以上かかることもあるでしょう。大学に通いながら受験勉強をする場合、自宅から遠い大学であれば賃貸物件を借りて1人暮らしをすることもあります。家賃のほか、水道光熱費や食費などの生活費も毎月かかるため、親の出費はかなりの額になるでしょう。入学直後に休学届を出し、大学には通わない場合でも、年間の授業料は支払わなければならないケースが多いです。

このように、仮面浪人にはかなりのコストがかかるため、親の経済事情なども考えたうえで仮面浪人するかどうかを決める必要があります。自分一人で決めるのではなく、親も交えてじっくり話し合いましょう。

6.仮面浪人を成功させるためのポイント

仮面浪人にはメリットだけでなくデメリットもあるため、できるだけ早いうちに成功させたいと考える人が多いでしょう。成功のポイントとしては、まず自分の中で仮面浪人を選ぶ理由を明確にし、来年の受験までモチベーションを高く維持し続けることが大切です。キャンパスライフを楽しみたい気持ちはできるだけ抑え、サークル活動やバイトは控えて勉強時間を確保しましょう。勉強への集中力・理解力を高めるためにも、毎日規則正しい生活を心がけ、勉強する習慣を身につけることも忘れてはいけません。

受験勉強に集中するためには休学するのがベストですが、失敗に備えて単位も取得しておきたい場合は、前期に講義を集中させるのがおすすめです。受験の時期が近づく後期はなるべく講義を減らすか休学し、勉強や試験に備えたほうが良いでしょう。

ポイントを押さえて仮面浪人を成功させよう

仮面浪人にはデメリットもありますが、失敗した場合の保険になるなど多くのメリットもあります。勉強時間の確保や成功させるためのポイントを押さえておけば、志望校合格も決して夢ではありません。志望校ではない大学に入学したからといって諦めるのではなく、自分が望む大学、思い描く将来のために努力を続ける姿勢を持つことが大切です。

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