受験生にぴったりの食事とは?必要な栄養・受験前日〜当日のメニューを紹介

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受験生にとって大事なのは、ただ勉強をすることだけではありません。日々の食生活も試験当日のパフォーマンスに大きくかかわってくる要素のひとつです。毎日の食事で体調を整えておけば、本番の試験で最大限の力を発揮することもできます。そこでこの記事では、受験で力を発揮したい受験生やその家族に向けて、摂取すべき栄養素や試験直前におすすめのメニューなど、食事面で気をつけておきたいポイントを詳しく紹介します。

1.受験生の食事 4つのポイント

個別の栄養素について詳しく述べる前に、まずは受験生が日常の食事で気をつけておきたい4つのポイントについて紹介します。

1-1.朝食はしっかり摂ろう

特に受験生にとって朝食をしっかり摂ることは大切です。一般的にも「朝食抜きはよくない」といわれることがよくあるように、朝食を抜くと身体や脳が活動するためのエネルギーが摂取できません。しかし、考えてみてください。試験は普通朝から行われます。受験生の場合、特に脳がエネルギー不足のまま試験を受けることになれば、力を発揮できないのは目に見えているでしょう。せっかく日頃努力を積み重ねて実力をつけていても、本番の試験で力を出せなければ努力が水の泡です。

受験生のなかには夜遅くまで勉強している人も多いかもしれません。しかし、生活が夜型のままだと、朝実施される試験にベストコンディションで臨むことは難しいのです。そのため、受験生が試験本番で実力を十分発揮するためには、その前から生活のリズムを朝型にしておく必要があります。朝型の生活リズムを作り出すコツは、まず朝食をしっかり食べることです。朝起きてすぐはあまり食欲が湧かないという人も、朝食抜きにはせず、まずは「少しでも朝食を食べる」という習慣づけからはじめてみましょう。無理しない程度から少しずつ食べるようにしていると、次第に体も慣れてきます。

1-2.糖質はお菓子でなくご飯で摂ろう

脳を働かせるのに大切な糖質は、摂り方によって身体への影響の様子が変わってきます。たとえば、甘いお菓子でも糖分を摂ることができますが、摂取後は一気に血糖値が上がります。糖尿病を患っている人が突然低血糖を起こした際、緊急の対応として飴などすぐに糖分を摂取できるものを持っているのは、素早く血糖値を上げることができるからです。ただし、お菓子で急激に上昇した血糖値は、低下するのも早いです。

一方、食事で糖分を摂取する場合は、ほかの食材も一緒に食べるため消化・吸収されるのに時間がかかります。そのため、血糖値の上昇も緩やかで、長時間にわたって摂取した糖質を栄養として使うことが可能です。そもそも、お菓子を食べ過ぎることで食事の量が減ってしまう懸念があります。結果的に必要な栄養が摂れない可能性もあるため、お菓子はほどほどにして3食きちんと食べることが大切です。

1-3.水分もしっかり補給しよう

真夏の暑い時期に水分補給が大事という注意はよくされます。しかし、水分補給が大切なのは暑い時期だけではありません。水に関する研究では、水分の摂取量と集中力や頭の回転との間に密接な関係があることがわかってきました。イギリスのイースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学が行った研究では、水を飲んだグループは知的作業を行う際の反応時間が、飲まなかったグループに比べて14%も早いという結果が出ています。つまり、集中力が必要な受験生にとって、水分不足は大敵なのです。眠っている間にも人間は汗をかくことから、朝起きたときにコップ1杯の水を飲むこともおすすめです。普段から水分不足に陥らないように、適切な水分補給を心がけるようにしましょう。

1-4.楽しく食事しよう

食事は生きていくためには必要なものですが、そんなことよりも食べることが楽しみという人もいるでしょう。また、美味しいものを食べたいと思うのも人間としては当たりまえの感情です。つまり、食事は栄養を摂取するために必須のものというだけではなく、精神的な安定にもつながります。食事を作るとき、もちろん栄養を考えることは大切です。しかし、楽しい食事は身体だけではなく、心にとっても栄養になります。そのため、単に作業のように済ませるのではなく、食事の時間が楽しいものになるように心がけるようにしましょう。

2.受験生が摂取したい4つの栄養素

受験生が毎日の食事で積極的に摂取しておきたい栄養素は主に4つです。その4つである「ブドウ糖」と「ビタミンB1」、「タンパク質」および「DHA・EPA」について、なぜ必要なのか詳しく解説します。

2-1.ブドウ糖

糖質は最も小さい単位の単糖類のほか、単糖類が2つつながった二糖類、3つ以上つながった多糖類の3種類あります。ブドウ糖の構造は単糖類で、素早く吸収されてエネルギーになります。お菓子や食事で摂取するお米やパン、砂糖などに含まれる糖質は、この吸収されやすい単糖類ではありません。消化されて分解されることで単糖類のブドウ糖になります。

脳の主要なエネルギー源となるのがこのブドウ糖です。そのため、ブドウ糖が不足すると脳はエネルギー切れを起こして作業能力が落ち、集中力もなくなります。イライラしやすくなり、勉強が思ったようには捗らなくなることもあります。炭水化物ダイエットのように糖質を制限するダイエット方法もありますが、受験生が集中して勉強するためには、しっかり主食のご飯やパンを食べてブドウ糖を補うことが大切です。

2-2.ビタミンB1

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える過程で必要な栄養素です。せっかく糖質を十分摂っていても、ビタミンB1が不足していると、うまくエネルギーとして変換されず無駄になってしまいます。受験生にとって脳の働きが低下することは避けたいでしょう。そのため、ビタミンB1はブドウ糖のもとになるご飯やパンなどの主食と一緒に摂りたい栄養素です。

また、食事の量自体は十分でお腹がいっぱいになったとしても、菓子パンやインスタント食品ばかりを食べていると、ビタミンB1は不足しがちです。ビタミンB1は豚肉やレバー、大豆製品などに多く含まれていますから、これらの食材を積極的に摂るようにしましょう。また、米の糠部分もビタミンB1が豊富ですが、精米してしまうとほとんど取り除かれてしまいます。そのため、精米された白米よりも、玄米のまま食べるほうがビタミンB1を効率よく摂取することが可能です。

2-3.タンパク質

三大栄養素のうちのひとつであるタンパク質は、人間には欠かせない身体を形作ってくれる大切な栄養素です。筋肉や血液などはもちろん、脳細胞もタンパク質からできています。また、神経伝達物質を作っているのもタンパク質であるため、タンパク質が不足すると脳の働きに影響しかねません。タンパク質は肉類や魚介類、卵などのほか、大豆製品や乳製品などにも多く含まれています。なかでも、アミノ酸価が高い青魚は、効率よく摂取できておすすめです。バランスのよいメニューを考えるうえで、主食・主菜・副菜をそろえることが大切です。体をしっかり作るためには、主菜としてタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。

2-4.DHA・EPA

DHAやEPAは青魚に多く含まれている栄養素として知られています。DHAもEPAも、ともにオメガ3系脂肪酸と呼ばれる必須脂肪酸ですが、人間の体内ではほとんど作り出すことができません。それでいて、脳機能を保つためには必要な栄養素であるため、食事から摂る必要があります。青魚に多く含まれているDHAやEPAですが、魚そのものを食べにくいときは、サバ缶などの缶詰を利用すると手軽に摂取することができるでしょう。なお、不飽和脂肪酸のひとつのαリノレン酸は、体内でDHAやEPAに変換されます。えごま油やなたね油などの植物油、くるみなどに多く含まれているため、これらも意識して摂取するのがおすすめです。

3.試験直前の受験生におすすめの食事メニューは?

最後に、試験本番が近づいてきたときにどのようなものを食べればいいのか、試験前日と当日の朝、試験会場に入ってからの食事について、おすすめのメニューを紹介しながら説明します。

3-1.試験前日に

試験前日は翌日の本番に向けて体調を整えておくことが大切です。そのため、食事も胃腸に負担をかけるようなメニューは避けるようにしましょう。胃もたれするような脂分の多い揚げ物や消化の悪いもの、食中毒のリスクがある生ものなどは避けることがポイントです。また、遅い時間に食事をすると睡眠中も消化するために身体は働き続けなければなりません。睡眠の質も悪くなるため、就寝3時間前までには夕食を食べ終えるようにしましょう。試験前日の夕食には、ブドウ糖を摂取できるご飯やうどんなどと一緒に、ビタミンB1が豊富な豚肉と体を温める食材の根菜を組み合わせた鍋がおすすめです。

3-2.試験当日の朝に

試験当日の朝も胃腸に負担をかけないような朝食メニューにすることが大切です。身体を冷やさず、温める効果のある食材を取り入れるようにしましょう。また、緊張や神経のたかぶりを抑えるために、ストレスを緩和する作用のある食材をメニューに加えるのも効果を期待できます。具体的にはブドウ糖のもとになる炭水化物のご飯と、ビタミンB1が豊富な卵焼きや納豆、焼き魚などです。そこに身体を温められるお味噌汁を加えた定番の和食がおすすめです。また、食べやすく消化もしやすいバナナやリンゴなどのフルーツをプラスするのもいいでしょう。

3-3.試験会場で

試験直前や試験の合間の昼食は緊張して食べ物が喉を通らないということも多いかもしれません。少しでもリラックスできるように、昼食には普段食べ慣れている食材で作ったお弁当がおすすめです。ただし、食べ過ぎてしまうと胃に負担をかけてしまうため注意が必要です。試験直前や休憩時間などになにか食べたい場合は、速やかに糖分を補給できるものを用意しておくといいでしょう。たとえば、チョコレートやグミ、ナッツなど、手軽に口にできるお菓子を持参しておくと役に立ちます。

受験生は勉強だけでなく食事にも気を配ろう

受験生は試験本番に向けて普段から規則正しい生活を送り、コンディションを整えることが必要です。食事にも気を配り、必要な栄養素を摂取するように心がけることも大切です。試験直前には胃に負担をかけないよう消化のよいもの、当日はリラックスできるように食べ慣れたものがおすすめです。試験までのタイミングに応じて適切なメニューの食事をとりリラックスして、試験本番では自分の実力を出し切りましょう。

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