慶應大学の受験科目を学部別に徹底解説!偏差値や対策しやすい学部も紹介
大学受験では、試験科目や配点が学部によって異なるケースは少なくありません。慶応大学でも、学部によって...
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2020.05.19
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更新日:2020.05.18
「量より質」という言葉がありますが、これは受験勉強にも当てはまります。学習の質を高めるには、実は休憩の取り方が重要です。「休憩の時間がもったいない」「集中力が途切れて勉強に戻れない」などと考えて頑張っている人ほど、逆に非効率な勉強をしているかもしれません。この記事では勉強効率を上げるためのタイムテーブルや休憩中の過ごし方を紹介します。集中力を保つ休憩の取り方を理解して、効率アップを図りましょう。
目次
医学的・生理的な研究の結果、人間の集中力は90分が限界というのが定説です。大学の講義で1コマ90分を採用していることが多いのも、このような事実にもとづいているといわれています。また、90分のなかで集中力を最大レベルに保てる時間は、30分程度しかありません。こう考えると、1日中勉強しなければならない受験生からみれば、ずいぶん時間が短いと思うのではないでしょうか。休憩を取らないで勉強したのに全く効率が上がらなかった場合、それは能力的な問題でも気持ちの持ちようでもありません。頑張りすぎたことで医学的・生理的に無理が生じて、かえってパフォーマンスが下がってしまっているのです。人間は90~120分以上経つと集中力が大幅に落ちてくるため、同じ作業を続けるには休憩が必要になります。
集中力が低下した状態では勉強の効率が上がりません。ある期間のトータルでみれば集中力をいかに高い状態にキープできるかで大きな差が出てくるといえます。東京大学の池谷裕二教授の研究によると、次のような傾向がわかりました。あるグループは15×3回で計45分学習を行い、学習の間の2回で休憩をはさみます。もうひとつのグループは60分休憩なしで学習します。すると、休憩をはさんだグループのほうが勉強した内容を長期間覚えていられたのです。
これは休憩によって、疲労によって衰えていた脳の働きが回復し、高い集中力をキープできたからと考えられます。脳波計を観察すると、集中力に影響する前頭葉のガンマ波の落ち込みが休憩によって上がっていたことが確認できたのです。つまり、15分間の休憩時間は無駄な時間ではなく、勉強効率を高めたといえます。60分以上の勉強時間でもこの傾向は変わりません。90分以上経過すると脳の働きは大きく低下するので、続けて勉強することはとても非効率です。科学的にみても勉強のパフォーマンスを向上させるには休憩が欠かせないということがわかるのです。
運動の合間の休憩などは適切に取ることが簡単ですが、脳の休憩の場合は注意が必要です。勉強の休憩は「脳を休めること」を意識しないと、休憩を取ったつもりで取れていないことがあります。たとえば、休憩時間にスマホをいじったりゲームをしたりすれば、無意識に情報をインプットし続けて脳は活発に活動を続けてしまうでしょう。また、勉強していることを完全に忘れてしまうと、休憩後にスムーズに勉強に戻れないこともあります。休憩はあくまで勉強再開に向けてコンディションを整えるための時間と考えることがポイントです。
この段落では適度な休憩を取りながら効率よく勉強できるタイムテーブルの例を紹介します。ベストの方法は人それぞれなので、自分に合ったタイムテーブルを実際に試しながら採用しましょう。
25分勉強して5分休憩というサイクルを繰り返す方法は「ポモドーロ・テクニック」といいます。名前の由来はトマト(ポモドーロ)型のキッチンタイマーです。実際キッチンタイマーを使うと、ポモドーロ・テクニックが実践しやすいため活用してみてはどうでしょうか。この方法の特徴は徹底した時間管理です。どんなに集中していても作業が中途半端でも時間が来たら休憩し、休憩が終わったら作業に戻ります。
この方法のメリットは3つあります。1つ目は長時間勉強を続けるプレッシャーから解放されることです。少し先にゴールがあれば頑張りやすいですし、勉強に取り掛かる負担も軽くできるでしょう。2つ目は時間が人間の集中力の限界である90分に対して勉強時間が短く集中しやすいことです。また、タイマーでカウントされる緊張感から集中力が途切れにくくもなります。慣れてくれば25分間で完了する課題を設定できるようになり、さらに集中力が高められるでしょう。
3つ目は休憩が短いので勉強に戻りやすいことです。先に休憩で重要なのは勉強再開のためのコンディション作りということを解説しました。休憩時間が短ければ勉強モードから外れることなく、まるでボクサーがラウンドの合間に体を休めるように脳を休ませられます。休憩時間の最後の1分間に瞑想や深呼吸をして、さらに休憩の効果を高める人もいます。
50:10勉強法は50分勉強したら10分休憩するタイムテーブルです。この方法は特に高校生に向いている方法です。なぜなら、高校の授業時間は50分が多いので日常的に50分間勉強することに慣れているからです。集中力が切れてくる習慣も身体にしみついているので、ペース配分や10分の休憩で効率よく休むことも自然にできるでしょう。
入試の試験時間と同じ時間勉強をして15分休憩する方法もあります。この方法は実際の受験を想定した実践的な方法といえるでしょう。試験時間と同じ時間、集中力を保つトレーニングにもなるので、本番でも最後まで集中力が持続しやすくなります。試験日が近づいてきた追い込みの時期や、問題集を解くようなときに試してみてはどうでしょうか。
180:30勉強法は、通常すでに紹介したタイムテーブルと組み合わせて使います。いくら休憩をはさむからといっても、長時間勉強すれば5分間の休憩では脳がリラックスできなくなってきます。そこで大切になるのが長めの休憩です。小休憩を挟みながら勉強し、180分程度経過したら30分の大休憩を取るというのがこの方法のポイントです。180分というのは自分に合わせて調整してもよいでしょう。たとえばポモドーロ・テクニックの考案者は「25分勉強+5分休憩」のサイクルを4回繰り返した後、20~30分の大休憩を取ることを推奨しています。
休憩は脳の疲れを取ってコンディションを整えなければなりません。ただし、勉強への集中を完全に断ってしまうと、休憩後に勉強モードに立て直すのが難しくなってしまいます。ここでは効果的な休憩の過ごし方を紹介します。
休憩は脳の疲れを取ってコンディションを整えなければなりません。ただし、勉強への集中を完全に断ってしまうと、休憩後に勉強モードに立て直すのが難しくなってしまいます。ここでは効果的な休憩の過ごし方を紹介します。
効果的な休憩のひとつが軽いウォーキングです。歩いて体を動かすことで、副交感神経(心身を鎮静させる自律神経の一部を構成する神経)が優位になり、リラックスできるからです。また、血の巡りがよくなり勉強に集中できる体のコンディションを整えられます。勉強中は座り続けていることが多いため、どうしても血流が滞りやすい状態になってしまいます。普段の半分以下の血流になることもめずらしくなく、気づかないうちに酸欠状態を引き起こしていることがあるのです。
コロラド大学とジョンソン・エンド・ジョンソンの共同研究によると、1時間あたり5分程度歩くだけで脳をエネルギッシュな状態に回復させられるというデータがあります。この程度なら部屋や自宅でも実行できるのではないでしょうか。2階から1階のキッチンに行ってコーヒーを入れて戻ってくるなどでも効果があります。できれば換気をして新鮮な空気を体に取り込むことも意識しましょう。
最も脳を休ませるのは、いうまでもなく睡眠です。しかし、勉強の合間の休憩では20分以内の仮眠にしましょう。これ以上長く寝ると、起きたときにしばらく脳が働かなくなってしまうからです。長時間寝てしまえば夜眠れなくなり、生活リズムが乱れる悪影響も出てしまいます。有名進学校の福岡県立明善高等学校では、午後に15分間の仮眠を導入したところ、難関校への合格率が大幅に上がりました。これはすでに紹介した「大休憩」に仮眠を上手に取り入れた事例ともいえるでしょう。
しかし「すっきり目覚められない」「そのまま熟睡してしまう」という人も多いのではないでしょうか。それならコーヒーナップという方法を試してみましょう。コーヒーのカフェインが体内に吸収される時間はちょうど20分ぐらいなので、寝る前に飲むと仮眠から目覚めやすくなるという方法です。
水分不足が知的な活動に影響を与えると聞けば「喉が渇いていたら集中できなくて当たり前」と多くの人は思うでしょう。しかし、イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究によると、体内の水分量の差が知的活動にかなり敏感に影響を与えることがわかりました。知的作業に取り掛かる前に0.5リットルの水を飲んだグループと、そうでないグループに分けて実験を行なったところ、反応時間に14%の差が出たといいます。また、若い世代ほど差が出やすい傾向も確認できました。勉強を効率化したり試験でのパフォーマンスを上げたりするうえで、水分補給は予想以上に大切といえるでしょう。体の水分が不足してしまうと集中力を保ちにくくなります。もちろん適量はありますが、休憩の際には水分補給も心がけましょう。
何も考えない、今に意識を集中させるという方法が瞑想です。瞑想と言うと宗教的なイメージがありますが、ストレスホルモンを軽減させる、前頭前皮質が活性化するなど科学的な実証もされています。
GoogleやYahoo!の社員たちが研修を受けて実践しているとされる「マインドフルネス」という方法も瞑想の一種であり、高い効果を実感する人も少なくありません。十分な効果を得るためには20分程度の瞑想が必要ですが、数分程度でも効果は出ます。座禅の形で座り自分の呼吸に意識を集中させ、ゆっくりと息を吸ったり吐いたりしましょう。背筋を伸ばしたよい姿勢なら椅子に座ったままでも効果があります。休憩が終わるラスト1分で瞑想を取り入れると、休憩終了後勉強に集中しやすいことが実感できるはずです。こればかりは実際にやってみなければわからないので、ぜひ一度試してみてはどうでしょうか。
人の集中力は90分以上保つことができないため、一日中勉強を続けるには適切な休憩が必要です。ポモドーロ・テクニックや高校の授業時間と同じ50分勉強10分休憩などいろいろなタイムテーブルがあるので自分に合ったものをみつけましょう。また、休憩の過ごし方も重要です。体を動かしたり瞑想するなどすれば、集中力が回復しやすくなります。効果的なタイムテーブルや休憩の過ごし方を取り入れて、勉強効率をアップさせましょう。
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