「速読英熟語」の使い方は?英語力を総合的に高めるためのポイントを解説!

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英熟語を覚える際の定番の教材として知られるのが「速読英熟語」です。しかし、手元にはあるものの、どのように使えば良いのかよくわからない人もいるのではないでしょうか。速読英熟語は長文を読み解くことで熟語を習得する流れになっていて、うまく活用すれば英語力を総合的に向上させられます。ここでは、速読英熟語の効果的な使い方について詳しく紹介します。

1.「速読英熟語」とは?

そもそも、速読英熟語とはどのような特徴を持つ教材なのでしょうか。ここでは、速読英熟語の概要を紹介します。

1-1.「速読英熟語」に収録されている内容

「速読英熟語」は高い人気を誇る英単語帳「速読英単語」に関連するシリーズの1つで、通信教育の大手・Z会が出版しています。大きな特徴は、最初に短めの長文が掲載されていることです。長文を読み解くことで、そこで使われている英熟語や構文を覚えていくというコンセプトになっています。1つのセクションは見開き2ページで構成されています。最初の見開きの左側に短めの長文が、右側にその日本語訳が載っていて、次の見開きに長文のなかで使われた英熟語の意味や例題が並んでいるという構成です。長文は50題あり、長文で紹介されなかった英熟語を使った例文をまとめたセクションがさらに10章あります。

速読英熟語があれば1冊で855の英熟語と224の構文が学べ、うまく活用すれば語彙力だけでなく読解力や速読力を効率的に向上させることも可能です。内容に準拠したCDも別売りされています。このCDには長文を読み上げた音声が収録されていて、リスニングの学習などにも使えます。

1-2.「速読英熟語」がおすすめな人

速読英熟語は良書ですが、基本的な英語力が身についていない人には向いていません。なぜなら、長文を読んで英熟語や構文を覚えていくスタイルだからです。長文を読むのに必要な基礎的な単語や文法、英文解釈などの力がなければ、長文を読む時点でつまずいてしまいます。これでは、速読英熟語を使っても、効率的に学習することはできないでしょう。つまり、ある程度の長文が読める基礎的な英語スキルが身についている人に適しているといえます。長文をすらすらと読み進める力はなくても、読解できるのであれば問題ありません。速読英熟語を使って英熟語を学べば長文読解の演習もできるため、スムーズに読み進める力をつけることも可能でしょう。

受験生であれば、ふつうは必ず英単語を勉強します。ところが、英熟語までしっかり覚える時間が取れる受験生は、意外にもそれほど多くありません。英熟語より英単語を優先して覚えたいと考える人が多いのでしょう。しかし、英熟語はすでに知っている英単語の組み合わせであることが多く、比較的覚えやすいです。英熟語を学べば、英語で言い換える際に使える表現の幅も広がります。速読英熟語を使ってマスターすれば、ほかの受験生と差をつけることができるでしょう。

2.「速読英熟語」のメリット・デメリット

速読英熟語は、英語を勉強するにあたって多くのメリットが得られる非常に良い教材です。しかし、デメリットがないわけではありません。ここでは、速読英熟語にどのようなメリット、デメリットがあるかを紹介します。

2-1.「速読英熟語」のメリット

速読英熟語の大きなメリットの1つとして、掲載されている長文の質が高い点が挙げられます。国語力を上げるためには良質な文学作品になるべく触れることが大切なように、英語力を磨くためには質の良い英文にたくさん触れる必要があります。これは、良い文章を読むことで言語的な感性が養われるからです。速読英熟語には長文がたくさん掲載されているため、英熟語を覚えるだけでなく長文読解の力も養うことができる点もメリットとして挙げられます。文法や構文、英文解釈、速読、読解などさまざまな勉強に活用でき、総合的な英語力を養うことが可能です。

速読英熟語は、過去に出題された大学の入試問題を徹底的に分析し選出された頻出の熟語が掲載されています。そのため、速読英熟語1冊があればセンター試験から難関大学までさまざまなレベルに対応可能です。また、音声が収録されたCDが別売りされている点もメリットでしょう。CDを聞いて熟語を覚える、聞き取り練習をする、リピーティングやシャドーイングに使うなど、自分のレベルや状況に合わせて無理なく活用できます。リピーティングは音声を止めて聞き取った英語を繰り返す練習、シャドーイングは音声を流したままで聞いた英語をそのまま復唱する練習です。

2-2.「速読英熟語」のデメリット

速読英熟語は、長文の読解ができてはじめて効果的に使えるようになります。英語の基礎的な知識やスキルが不十分で長文を読めないのであれば、速読英熟語の特徴を活かした学習をすることは困難でしょう。掲載されている英文の構造について解説がない点もデメリットといえます。もし、英文を読んでよくわからないところがあったとしても、その場では解決できず誰かに聞くか自分で調べるかしなければならないのです。1人で学習していて誤った解釈をしたとしても、間違っていることに気づきにくいでしょう。

そのため、速読英熟語を使って学習していて少しでも「なんとなく変だ」「どういうことだろう」と感じることがあったときは、学校や塾の先生に確認することが欠かせません。

3.「速読英熟語」の基本的な使い方

速読英熟語で勉強するときの使い方の1例を紹介しましょう。まず、長文と和訳に目を通します。このとき、熟語を覚えるのではなく、文章全体の内容をどの程度理解できているかを意識しましょう。知らない熟語が多くてよく理解できないときなど、場合によっては先に英熟語のまとめをチェックして覚えてから長文に戻っても構いません。次に、文章を構成するそれぞれの単語が主語(S)、述語(V)、目的語(O)、補語(C)、副詞(M)のいずれにあたるかを考え、書きこんでいきます。こうすることで文の構成が把握でき、文法や読解のスキルアップにも結びつきます。

長文の内容がしっかり把握できたら、すらすら読めるようになるまで何度も音読しましょう。音読することで熟語が定着しやすくなります。音読は最低でも10回以上繰り返すことが望ましいです。別売りのCDを用意して活用すれば、正しい発音ができているか確認でき、聴き取り練習をするなどリスニング力を高めるのにも役立ちます。

4.「速読英熟語」を使うときのポイント

速読英熟語を使うときは、学習効果をより高めるために押さえておきたいポイントがあります。ここでは、具体的にポイントを紹介します。

4-1.似た意味はまとめて覚える

速読英熟語で英熟語を覚えていると、同じような意味を持つものが出てくることがあります。同じような意味の熟語は、関連付けてまとめて覚えると記憶しやすいです。たとえば、<in spite of A>「Aにも関わらず」は<for all A><with all A>、<so to speak>「いわば」は<as it well>とまとめて覚えるといった調子です。「以前覚えた熟語と同じような意味の熟語がでてきた」と気づいたときは、その場で書きこむと良いでしょう。見直すたびに頭のなかで記憶が整理されて、新しく出てきた熟語でもスムーズに覚えられます。

試験では、同じ意味を持つ熟語の言い換え問題が出題されることも珍しくありません。意味の似ている単語を覚えておけば、言い換え問題が出たときにもすぐに対応できます。

4-2.何度も繰り返して学習する

英熟語に限らず、何かを覚えるときは反復することが欠かせません。ドイツの心理学者が発表した「エビングハウスの忘却曲線」によると、人の脳は何かを覚えたとき、20分経てば42%を、1時間経てば56%を忘れることが示されています。ただし、これは無意味な綴りを記憶したときの忘却曲線です。熟語のような意味のある言葉を覚えたときに、必ずしも1時間経てば半分以上忘れるということにはなりません。とはいえ、いくらか忘れてしまうことは確かです。そのため、何かを覚えるときは何度も繰り返し覚える必要があります。

速読英熟語を使って英熟語を覚えても、時間が経てば忘れてしまう可能性は高いでしょう。忘れるのは脳のしくみ上しかたないことと捉え、時間をおいて何度も学習するようにしましょう。繰り返すほど記憶に定着しやすくなります。また、何度も反復することを前提として学習し、学ぶ都度小さな目標を設定してクリアを目指すのも1つの方法です。たとえば、最初に覚えるときは英熟語の意味を完璧に記憶できなくても前後の文脈から推測できればクリアと設定し、次に覚えるときは英熟語だけを見てすっと意味が出てくることを目標にするといった調子です。小さな目標が達成できればやる気につながり、モチベーションも維持しやすくなります。

先にも述べたように、速読英熟語はうまく活用することで英語の総合力を鍛えられる優れた教材です。繰り返し学習することで、英熟語だけでなく総合的な英語スキルが高められるでしょう。

4-3.英熟語そのものの意味を覚える

速読英熟語では、英熟語を組みこんだ長文を読み解くことで覚えられるようになっています。これは使える英熟語を覚えるのに有効です。とはいえ、繰り返し学習すると長文の訳を覚えてしまうことがあります。覚えた長文の文脈から熟語の意味を推測してしまうようになると、学習の効果を得にくいでしょう。英熟語のみを見て意味が出てくる状態まで覚えなければ、実際の試験で違う文章で出てきたときに対応できない恐れがあります。そこで、学習する際は、英熟語だけを見てすっと意味が出てくるかどうかを確認することも大切です。

4-4.柔軟な訳し方をする

速読英熟語は、それぞれの熟語に基本的な日本語訳がついています。しかし、実際に問題を解いていると、速読英熟語に記載された訳ではしっくりと合わないことがあります。もちろん、これは速読英熟語の訳が間違っているということではありません。異なる文章である以上、前後の文脈によって多少のずれが起こることはあり得ます。試験の際は、速読英熟語に記載されている言い回しにこだわることはありません。合わないと思ったら、根本の意味を変えないように注意しつつほかの表現を使って訳すと良いでしょう。

「速読英熟語」の効果的な使い方を実践しよう!

速読英熟語を上手に活用することで、英熟語だけでなく読解や構文の解釈など総合的な英語力を高めることができます。とはいえ、うまく使いこなせているか自信がない人もいるでしょう。個別指導塾の「下克上」では一人ひとりの状況やレベルに合わせ、大学受験のための効果的な勉強方法を指導しています。英語の成績向上を目指すなら、まずは公式LINE@に登録し、説明会に参加してみてはいかがでしょうか。

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