日本語から英語へ訳すコツは?英訳の効果的な勉強法を紹介!

未設定

ほとんどの大学が入試科目に英語を採用しており、その中で英訳は頻出の問題となっています。しかし、英訳を苦手とする受験生も多いです。スムーズに英訳ができるようになるために何を勉強すべきか悩んでいる方も多いのはないでしょうか。日本語から英語へ訳すときは、意識するべきコツがさまざまにあります。本記事では、英訳の効果的な勉強法やコツについて紹介します。

1.入試で出題される英訳の種類は?

入試で出題される英訳にはどのようなものがあるかご存じでしょうか。入試で出題される英訳問題は、大きく分けて「和文英訳」と「自由英作文」の2種類があります。

「和文英訳」とは、問題として日本語の文が示され、それを英語の文に書き直す形式のものです。和文英訳問題は、多くの大学で、学部を問わず出題されています。一般的に和文英訳は配点が高いことが多く、志望校に合格するためにも確実に得点できるようにしておきたい部分です。

そして、「自由英作文」とは、その名が示すように自由に英作文を書かせる形式の問題です。あるテーマについて、自分の意見を自由に書く形式が多いですが、その他にもグラフや英文の資料を読んで、それをもとに英文で感想や回答を求める問題形式もあります。自由英作文は、難関大学で出題されることが多いです。これもやはり配点は高めになっていますが、多くの受験生がしっかり対策を行ってくるため、できるだけ取りこぼしを避けたい部分です。

2.英訳に必要な基本の作業

英訳問題を上手に解くためのコツは、英文を書くための基本の作業にあります。英訳を得意にしている人ほどこの基本の作業を行っているものです。以下、英訳に必要な基本の作業について紹介しますのでしっかり確認して実践してみましょう。

2-1.主語と動詞を明確にする

英訳を行う際に、とにかく片っ端から英語にしていくのはよい方法ではありません。英訳を行うときは、まず日本語でその構造をよく考えてみましょう。英訳を行うにあたっては、まず主語と動詞を明確にする必要があります。日本語の文は主語が明示されていなくても成立しますが、英語は主語と動詞がセットになっているため、主語を理解しないと文を成立させることができません。そのため、英訳では、主語と動詞のセットを先に決定することが必要になるのです。

たとえば、「授業中は静かにした方がいい」という問題があった場合はどうしたらよいでしょうか。動詞は「~した方がいい」とすぐにわかるため、”be better to ~”と考えることができます。この問題のように一般論についてであれば、「you」を主語にできるケースが多いです。そのため、英訳としては” It is better for you to keep quiet during class”などの文が考えられます。もし、一文が長くて複雑な場合は、主語の表現方法を工夫することですっきりすることが多いです。

注意したい点として、自動詞と他動詞の違いがあります。自動詞は目的語を必要としないもので、他動詞は目的語を必要とするものです。たとえばgoは自動詞ですし、readは他動詞です。readは読む対象がなければ成立しません。自動詞の場合、情報を付加する際にtoやatなどの前置詞が必要になりますので、抜けが生じないように注意してください。

2-2.英文の骨組みを作る

主語と動詞を決定できたら、次は英文の骨組みを作る作業が必要です。もし長い1文で英訳問題が出た場合、その単語の一つひとつを忠実に英語に訳していく必要はありません。英語と日本語とでは文法が違うため、無理にすべての単語を訳そうとすることで、知らないうちに英文の構造が破綻してしまうことがあります。構造は英訳で重要な部分であり、英文としての構造がおかしくなっていれば、使う単語が合っていても得点にはなりません。

長い一文があった場合、まずは日本語でどのような構造になっているかを考えるようにしましょう。たとえば「私は明日の朝起きたら朝食を食べずに、スーパーに買い物に行ってこようと思う」という文があったとします。このとき、基本的な構造としては、主語が「私」、文のメインとなるのは「買い物に行ってこようと思う」です。その他の部分はwhenなど関係副詞を使って後から追加した方が英語らしい文になります。また、自分が知っている熟語や言い回しを使えるように、言葉を多少置き換えたり、骨組みを修正するとよいでしょう。この例であれば、” I’m going to go shopping at the supermarket if I get up tomorrow morning without eating breakfast”という文が考えられます。

3.英訳のコツを押さえるための勉強法

英訳にはコツがありますが、そのコツを押さえるためにはどのようにしたらよいでしょうか。また、英訳のコツを押さえ、英作文に強くなるためには、どのような勉強法がよいのか紹介します。

3-1.例文を頭に入れる

英訳のコツを押さえるための勉強法としては、「例文を頭に入れる」ことが効果的です。過去問などで英訳の問題を繰り返し行っていると、実は頻出の言い回しがあることに気づきます。そのため、よく使われている言い回しや、問題の答えを頭にしっかり入れておけば、使用する単語を少し変えるだけで解答できる問題も多いのです。

ただし、例文やイディオムをいくらしっかり覚えていても、主語や活用などの細かい部分に気をつけないと減点されてしまうため注意しましょう。英熟語を含む例文もたくさん覚えておくと、穴埋め問題や長文読解にも強くなるなど、英作文の他のさまざまな場面でも役立ちます。

3-2.日本語に書き直す練習をする

英訳のコツを押さえるために、「日本語に書き直す練習をする」ことにぜひ取り組んでみてください。実は、試験で出題される英訳問題では、あえて普段使わないような難しい言い回しで日本語が書かれていることが多いのです。その難しい言い回しを見たときに「見たことがない単語だ」と思って避けてしまってはいけません。こういった問題は、「日本語を日本語で表現し直す力を問う問題」ともいえるからです。

日本語が難しい、または複雑な言い回しをしているような場合、それをいきなり英訳してはいけません。まず、日本語の意味をしっかりと解釈し、わかりやすい日本語に書き直すようにしてみましょう。すると、思いのほか簡単な文である場合も多いのです。ただし、日本語で書き直す場合は、意味が変わってしまわないように細心の注意を払う必要があります。多少のニュアンスや語感の違いは仕方ないとしても、伝えたい内容が変わらないように注意してください。

3-3.演習を繰り返す

英訳に強くなるためには、「演習を繰り返す」ことが非常に重要です。受験英語では、たとえ文が複雑そうに見えたとしても、難しい単語や表現を使わなければならないことはほとんどありません。受験では「学んだ単語や表現で対応できる問題しか出ない」ことを必ず覚えておいてください。

正しい英訳をするためには、基本の単語と文法に関する知識が最も重要です。そして、その単語や文法の知識を使いこなす力を身につけてこそ、英訳に強くなることができます。そして、この力をつけるためには、何度も演習を繰り返し、英訳作業に慣れることが欠かせないのです。文章構造への理解力や、表現の真意を把握する力、語彙力、表現の応用力は地道な演習によってのみ磨かれていきます。

3-4.添削を受ける

そして、英訳に強くなりたいと願うなら、必ず「添削を受ける」ようにしましょう。たとえ答え合わせができるような問題だとしても、英語の先生などに添削をお願いした方が勉強になります。その理由は、英訳の答えは1つとは限らないからです。自分で自分の英訳を採点すると、自分の勘違いやミスに気づかなかったり、逆に十分に通じるのに間違いにしていたりすることも少なくありません。

また、添削を受ける中で、1つの問題に対して複数の回答例を作ってもらえることも多く、表現力や発想力を高めるためにも効果的です。添削を受けて、自分では気づかなかったミスをみつけたら、必ず復習を行いましょう。

4.英訳するときの注意点

受験の英訳では、英文を作る際に注意しなければならないことも多いです。減点を回避し、確実に得点につなげるために注意したい点について以下で具体的に解説します。

4-1.時制

英訳では、「時制」についてしっかりと確認することが大切です。英文では時制によって動詞の活用が変わってきますので、現在、過去、未来のいつの出来事を表しているのかに注意する必要があります。特に、文章が長くなったり、複数の文からできていたりする場合には、いつの間にか時制が変わってしまっていることがあるので気をつけましょう。

また、日本語で「~した」「~だった」と書かれている文から英訳を求められた場合には、安易に過去形にしてよい内容なのか、注意深く検討しなくてはなりません。たとえば「春が来た」は”Spring came”ではなく、”Spring has come”と現在完了形で書く必要があります。過去形は過去の一時点のことを表し、現在完了形は過去から現在まで続くような内容を示しますので、文意をよく考えて適切な時制を用いるようにしましょう。

4-2.名詞

英訳では「名詞」にも注意が必要です。日本語では、ある名詞について、単数・複数の違いをそれほど意識する必要がありません。しかし、英語では単数・複数の区別があり、その影響は動詞や形容詞など他の部分にも及びますので、誤った表現は減点される可能性が高いです。だからこそ、文を書くとき、また書いた後に、しっかりとチェックする必要があります。

また、英語では名詞には「不可算名詞」という種類の名詞があります。不可算名詞はa(an)をつけたり、sをつけて複数形にしたりすることはできません。manyやmuchといった数量を示す形容詞の使い方にも影響があります。多くの場合、具体的な形があって数えられるものであれば「可算名詞」、情報や液体など、具体的な形がないものは「不可算名詞」です。多くの例文に触れる中で、区別するための感覚も養われていきますので、単数・複数に気をつけながら、たくさんの英文に触れ、英訳にも取り組んでいきましょう。

英訳のコツを押さえて問題を解こう!

英訳をスムーズに行うためには、英語の基本的な知識に加え、何度も繰り返し問題演習を行うことが必要です。英訳のコツをしっかり意識しながら演習を行うことで、英語の実力や感覚も磨かれていき、入試でも高得点を狙えるようになります。

個別指導塾の「下克上」では、大学受験に向けた効果的な勉強方法を教えています。英語の成績アップを目指したい人は、LINE@へ登録し、説明会に参加してみましょう。

関連記事

PickUp記事