過去問対策が合否を決める!賢い使い方で志望校合格を目指そう!

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受験勉強において、過去問対策は大きなウェートを占めるでしょう。しかし、ただやみくもに過去問を解いているだけでは、志望校への合格の道はなかなか開けてきません。過去問対策で重要なのは、単に問題を解くことではなく、その活用の仕方にあります。そこで今回は、過去問対策の重要性や取り組み方、また賢い過去問の活用法など、勉強するうえで押さえておきたいポイントについて解説します。

1.過去問対策が大事な理由

受験勉強にとって、過去問対策はどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。本格的な過去問対策に取り組む前に、まずは過去問が大学受験おいていかに重要であるのかについて、しっかり確認しておきましょう。

1-1.自分の実力を把握する

過去問に挑むことの重要性は、まず自分の実力を客観的に把握できることにあります。過去問を解いてみれば、自分がどの分野を得意とし、またどの分野を苦手としているのかということがわかります。受験勉強では、まず弱点を穴埋めして、得意な教科の足を引っ張らないようにすることが大事です。弱点の穴埋め対策を繰り返すことによって、苦手分野を少なくし、ひいては全体の底上げを図るというのが基本的な成績の上げ方です。過去問に挑むことで苦手分野がはっきりすれば、その分野を重点的に勉強することができるようになります。自分の実力を知ることは、受験勉強の鉄則でもあるため、過去問を解くことが志望校突破への鍵を握るのです。

もちろん、志望校の過去問を解くためには、そもそも基礎的な学力がある程度は身に付いていなければなりません。基礎的な知識がなければ、その応用をすることもできないので、いきなり過去問を解こうとしても高得点をあげることは難しいでしょう。ただ、過去問に挑むことには、そのように基礎学力が身に付いているかどうかを確かめる目的もあります。基礎学力が身に付いていないことがわかれば、まず基礎の定着に重点を置いて勉強すれば良いことになります。自分のこれからの勉強方法に道筋をつけるという意味でも、過去問に挑戦することには大きなメリットがあるのです。

1-2.志望校の出題傾向を知る

受験というのは戦争にも例えられるように、一種の戦いという側面があります。戦いに勝つためには、戦略を練らなければなりません。そして、戦略を練るためには、そもそも敵の特徴を把握する必要があります。なぜなら、敵の情報を知らなければ、戦略の立てようがないからです。受験における敵とは、これから受ける自分の志望校であり、志望の学部です。つまり、自分の志望大学や志望学部では、どういう傾向の問題が出され、どういう対策が必要なのかということを知っておくことが、受験を勝ち抜く鍵になります。

その意味でも、過去問を紐解くことは大きな意味を持ちます。なぜなら、過去問を確認すれば、大学や学部の出題傾向をある程度把握することができるからです。出題傾向はそれぞれの大学や学部によって特徴がありますが、大きく分けると知識問題重視型と読解問題重視型の2つに分類することができます。それによっては、対策の仕方が大きく変わってくることになります。たとえば、自分の志望大学では読解力を問う出題が多いにもかかわらず、知識を詰め込むような勉強だけをしていては無駄な時間を多く作ってしまうことになるでしょう。出題傾向が把握できれば、限られた勉強時間を有効に使えるようにもなるのです。

また、科目別でいうと、英語であれば長文の割合がどの程度であるか、英作文は出題されているかといったことも過去問を見ればわかります。数学では、単に解答するだけではなく、解き方を重視して見られることもあり、これも大学や学部によって特徴が異なります。過去何年か分の過去問を参照すれば、毎年決まって出題されるジャンルがあるかどうかも確認することができるでしょう。このように、志望校の出題傾向を的確に把握するためにも、過去問対策は欠かせない項目です。

1-3.時間配分の目安をつかむ

過去問に挑戦するときは、なるべく本番を近い状態で問題を解くことが大切です。というのは、過去問に挑むことには、試験本番での時間配分の目安をつかむという目的もあるからです。実際に時間を守って解いてみれば、全体的な出題量やバランスから見て、どのくらいのペースで各問題を解いていったら良いのかがわかってきます。

たとえば、過去問を解いてみて時間までに全問題を解答できなかったというのであれば、前半に時間をかけすぎているのかもしれません。特に記述式や読解問題に十分な時間が残らないことも多く、その場合は前半のマークシート方式の問題に時間をかけすぎていないか確認してみましょう。また、過去問では各問題の配点も確認することができます。特に記述式や読解問題は配点が高い傾向にあるので、どの問題を早めに解答しておくべきなのか過去問で把握しておくことも重要です。

2.過去問に取り組むタイミング

過去問はいつごろ取り組み始めれば良いのかわからないという人も多いのではないでしょうか。実際、過去問に取り組むタイミングはとても重要です。ここでは、過去問に挑戦すると良いタイミングを、その理由も踏まえて詳しく解説します。

2-1.本格的に受験勉強を始める前

まず、本格的に受験勉強を始める直前に、腕試しとして一度過去問に挑戦してみましょう。まだ本格的な勉強を始めていないため、この段階では過去問に挑んでも高得点を狙うことは困難です。しかし、高得点を取ることができなくても、気に病んだり志望校を諦めたりする必要は全然ありません。なぜなら、この段階で過去問を解く意義は、あくまで自分の今の実力や出題傾向を把握することにあるからです。

もちろん、いつから本格的に受験勉強を始めるのかによっても、過去問を解いた後の取り組み方は変わってきます。3年生になった時点や、部活を引退した段階から本格的に始めた場合、その時点で過去問をまったく解けなければ自分の実力と志望校のレベルに大きな差があるということを意味します。その場合は、第一志望の見直しを視野に入れる必要が出てくるかもしれません。

ただ、今の実力を知ることができれば、本番に向けて逆算的に対策を取れるようになります。自分の実力と志望校に差があるなら、基礎学力を重点的に鍛えたり、志望校に特化した学習塾に入塾したりなど、どのように対策を取れば良いのかもわかってきます。本格的な受験勉強をより効率的に進めるためにも、まずは過去問を解いてみて自分の実力を把握してみましょう。

2-2.ある程度実力が身に付いてきた頃

本格的な受験勉強をスタートさせ、じっくり勉強を積んでいけば、基礎学力が身に付いて徐々に成績も上がっていくでしょう。その段階で、本格的に勉強を始める前に解いた過去問にもう一度挑戦してみましょう。目安となるタイミングとしては、模試での合否判定がC判定以上になっているタイミングです。それだけの実力があれば、すでに基礎的な学力は身に付いていると判断できます。

最初に解いたときとは違って、今度はどれだけ点数が取れるかということを確認しましょう。基礎的な学力や読解力が身に付いていれば、過去問で高得点を取れることもあります。解いてみたら、どの部分を間違えていたのかチェックすることも忘れてはなりません。もう少し補足が必要な領域を把握することができれば、本番までに対策を取ることも可能になります。

このように、過去問に挑戦するタイミングは、まず本格的な受験をスタートさせる直前、そしてある程度実力が身に付いてきたらという2つのタイミングが最適です。本番直前まで過去問は温存しておくという考え方もありますが、直前のタイミングでは対策が間に合わない恐れがあります。遅くとも秋ごろまでには、過去問に再度挑戦できるような基礎学力を身に付けておくことが目安となるでしょう。

3.過去問の使い方

過去問はただ解答すれば良いものではありません。その使い方次第では、過去問は重要な参考書にもなれば、有効に使える問題集にもなり得ます。ここからは、過去問の使い方で特に重要な4つのポイントについて解説します。

3-1.過去5年分を目安に挑戦する

一般に出版されている過去問は、赤本や青本など、出版社によっていろいろな参考書があります。なかには、過去10年分の問題が収録された過去問などもあり、かなり古い時代のものまでさかのぼって入手することも可能です。ただ、あまり古いものだとそこまで参考にはなりません。大学や学部によって、出題傾向は多少なりとも変わる部分があります。

古いものである場合、今とは出題の傾向が異なることもあるため、過去問に取り組むならなるべく新しい年度のものにしたほうが志望校の傾向もつかみやすくなります。過去5年分を目安に挑戦してみると良いでしょう。ただし、最も新しい直近の過去問は、基礎学力が付くまで取っておくのが良いでしょう。前年度出題された問題は、本番の出題傾向に近い可能性が高いので、基礎学力が付いていればより本番に近い状態で過去問に取り組めるようになります。

3-2.本番と同じように解く

過去問に挑戦するということは、いわば本番に向けての予行演習のようなものです。ですから、過去問を解く際は、なるべく本番に近い環境を作って取り組むことが大切です。たとえば、制限時間を決めて問題を解いてみたり、途中で邪魔が入らない環境で取り組んだりなど、本番同様の緊張感を持って臨むのが過去問に挑戦する際の大きなポイントになります。そうすることによって、自分の本当の実力を把握することができるのです。

家では集中できないというなら、図書館や学校の自習室を利用して過去問に取り組んでみるというのもひとつの手です。本番さながらの環境で問題を解いておくことは、試験までに場慣れできるというメリットもあるので、しっかり集中できる環境を作ってから取り組むようにしましょう。

3-3.復習をして課題対策を行う

過去問は単に問題を解いて答え合わせをしたらそれで終わりということではありません。過去問に挑戦する目的は、自分の弱みを把握して、これからの受験勉強に生かすことです。問題を解くことで満足したり、点数に一喜一憂したりしているだけでは、多くの過去問に取り組んでも意味がありません。

ですから、過去問を解き終えたら、しっかり復習をして課題の対策を行いましょう。なぜその問題が解けなかったのか、自己分析することは成績を根本的に向上させることにもつながります。知識不足なのか、勉強の仕方が悪いのか、過去問を解いてみれば自分に足りない部分もわかってきます。問題を解いた後でしっかり自己分析してこそ、過去問に取り組む本当の意義があるのです。

ただし、受験勉強が過去問一辺倒になってしまうことも良くありません。過去問はあくまで勉強のツールのひとつです。上手に利用しつつ、基礎学習にもきちんと取り組んで、受験までに計画的に自分の苦手を潰すことを主眼に置いて対策していきましょう。

3-4.余裕があれば他学部の過去問も解く

第一志望の大学に関しては、余裕があれば志望していない学部の過去問にも取り組んでおきたいところです。学部は違っても、同じ大学だと同様の問題が共有されることもあります。同じ大学ならレベル的にも近いため、他学部の過去問を解いておくことは実力を試す貴重な機会にもなるでしょう。また、今はそのつもりがなくても、将来的に同じ大学の他学部を併願受験することもあります。そのとき、志望学部以外の過去問を解いていれば、合格できる可能性も高まるため、余裕があれば他学部の過去問にも挑戦しておくと良いでしょう。

4.過去問対策に時間を取り過ぎるのは禁物

過去問に取り組むのは、あくまで自分の実力確認と出題傾向の把握のためです。これからの受験に生かすためのきっかけであり、道筋を示すために取り組むのが過去問です。最も大切なのは過去問に取り組んだ後であり、過去問を解くことそのものに時間を取り過ぎるのは決して良いことではありません。

特に、過去問に取り組むのは、1年分の問題を解くだけでも相当な時間がかかります。難関校を志望している場合、受験までに身に付けておかなければいけない知識は山ほどあるため、過去問を解くことに多くの時間を割いてしまうと、それ以外の知識の習得がおろそかになってしまうこともあります。また、過去問はあくまで過去に出題された問題に過ぎません。今年もまったく同じ問題が出題される可能性は低いですから、過去問は傾向を掴むということを主眼に置き、あまり入れ込み過ぎないようにするのが使い方のポイントです。

過去問を上手に使いこなして現役合格を目指そう

過去問は解くこと自体に意味があるのではなく、解いた結果をこれからの自分に生かしてこそ意味を持つツールです。ですから、せっかく過去問を使って勉強するのであれば、問題を解くことばかりに終始するのではなく、自己分析や出題傾向を把握することに重点を置いて活用することが大切です。過去問を有効利用できれば、現役合格も近づきます。上手に使いこなして、志望校合格を目指しましょう。

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