過去問の解き方にはポイントがある!受験勉強を始める前にチェックしよう

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入試前の対策に志望校の過去問にチャレンジすることは非常に効果的で、多くの人が実際に取り組んでいます。しかし、過去問の解き方にはコツがあるため、受験勉強を始める前に知っておくことが大切です。この記事では過去問について、解く目的や、何年分をやればいいのか、いつやるべきなのか、おすすめの過去問の解き方、解き方のポイントについて紹介します。

1.過去問を解く目的や意味を押さえよう!

大学受験対策として、どうして過去問を解くことが大切なのでしょうか。ここでは、志望校の過去問を解く目的やその意味について説明していきます。

1-1.傾向が分かる

受験対策として過去問を解くべき理由のひとつは、「入試問題の傾向が分かる」ようになるからです。大学の入試問題は、大学や学部、学科によって顕著に特徴があります。これは、大学や学部、学科によって、受験生に求める学生像があり、それに合った学生を選抜するためです。逆にいえば、この学生像が変わらない限り、大きな傾向は変わりません。そのため、過去問を解くことで入試問題の傾向を把握できれば、どの部分を重点的に勉強するべきかがわかり、受験対策を立てやすくなります。

1-2.入試を体験できる

過去問を解くことによって、実際の入試を想定し、本番の予行演習ができることも大きなメリットです。大学入試は、学生たちの人生に与える影響が大きいことは言うまでもありません。だからこそ通常のテストとはプレッシャーも段違いですので、いきなり本番を迎えることは避けたいものです。普段はテストで順調な成績を出している人でも、入試の雰囲気や環境は異なるため、本来の能力を出し切ることができない可能性もあります。

志望校の過去問を解くことは、実際の入試を疑似体験するようなものです。逆にいえば、できるだけ実際の入試に近い雰囲気を作って行ってこそ高い効果が期待できます。たとえば、時間も無制限ではなく、本番と同じ時間を決めて解くようにしてみましょう。このように過去問に取り組むことで、緊張感も生まれ、自分の現在のレベルもわかり、受験勉強や入試への意識も高まります。他にも、入試で使われるようなフォーマットの解答用紙を用意する、時間帯を本試験の時間に合わせる、狭い机で解答を作成するなど、入試に近い環境を作るさまざまな方法を考えてみるとよいでしょう。

2.過去問は何年分やればよいか?

受験生の中では、過去問を何年分やればよいのか悩む人も多いです。一般的に予備校などでは、過去問を5年分ほど用意し、それを数回解くようにすすめています。早い段階で志望校が固まっている人なら、さらに多くの年数の過去問を用意して解いておくとより確実な効果が見込めます。

多くの場合、10年分の過去問を、5回程度解いておくと、志望校の入試傾向も分かってきます。学校によって問題傾向はさまざまです。問題数が多い場合もあれば、問題数は少なく難易度が高い場合もあります。完全正答を求める問題もあれば、部分点がある問題もありますし、各問題が独立している場合や、問題がつながっている場合などさまざまです。大学の出題傾向がわかれば、それだけ自分に不足しているものもわかり、対策がしやすくなります。

過去問は、まったく同じ問題が出ることはないとしても、各大学の入試問題に近いということを考慮し、完全に解けるレベルを目指すとよいでしょう。もちろん、ただ解けばよいのではなく、しっかり考え、解説などもしっかり読み込むことが大切です。

3.過去問を解く時期について知っておきたいこと!

過去問の勉強は、トライする時期によっては難しすぎて効率が悪く、遅すぎると本番に間に合わないため、タイミングが非常に重要です。以下では、過去問に取り組む時期について、いつが適しているのか解説します。

3-1.受験勉強を始める時期

過去問に取り組むタイミングとしては、「受験勉強を始めた時期に、なるべく早く」をおすすめします。なぜなら、早めに過去問を解くことによって、受験における自分の現在地とゴールがわかるからです。この時点では、過去問が解けないことはまったく問題がありませんし、何度も問題を解く必要もありません。まず、受験勉強の方針を定めるために一度取り組んでみるという気持ちで、2~3年分をやってみるのがよいでしょう。

早い時期に過去問を解いておくことで、問題傾向の把握ができ、問題集や参考書を適切に選べるようになりますし、苦手分野を中心に余裕をもって対策していくことができます。受験は情報戦という側面もありますので、早い段階で志望校の試験問題について多くの情報を得ておくとが大切です。早い段階で情報を得ることで、受験勉強だけでなく、志望校の変更や併願先の検討など、さまざまな活動・判断を効率的に行えるようになります。

3-2.基礎固めができた時期

また、過去問を解くタイミングとしては、ある程度受験勉強が進んで、基礎的な学力が身についたころがおすすめです。受験の直前になってはじめて過去問を解くとそれ以上の対策が難しいため、できるだけ避けましょう。早期のうちに過去問を解いたら、その後しばらくしっかり学習を重ねて、基礎力がついた段階で改めて過去問を解くことで学習の成果を確認し、学習の方向性を修正することができます。

どの程度の学力がついたレベルが適当かの判断が難しい場合は、ひとつの目安として、模試で「C判定」が出たら過去問を解くよう決めておくとよいでしょう。しかし、実際にはC判定がなかなか出なかったり、受験の直前まで出ないケースもあります。そのため、判定に関係なく、ある程度の時期になったら、受験日までは定期的に過去問を解いていくようにしましょう。この場合は基礎固めも並行して行うことが重要です。

4.知っておくべき過去問の解き方を紹介!

過去問を解き、受験に必要な学力を効率よく高めるにはコツがあります。受験生が知っておきたい過去問の解き方、使い方について紹介します。

4-1.制限時間の捉え方

過去問は、実際の受験の予行演習として、時間をしっかり測ることが重要です。過去問に取り組み始めた段階では、「制限時間」というよりも、「過去問を解くために使った時間を測る」ようにしましょう。学力が不足している状態では、制限時間を設けても焦ってしまうだけで、考える力がつきにくいからです。どのくらい時間がオーバーしたかは記録しておき、分析してその後の学習や時間配分に活かすようにします。

そして、入試本番が近づいてきたら、しっかりと制限時間を定めて過去問を解くようにしましょう。この段階では、考える力よりも時間配分についての感覚を身に付けることが重要です。余裕があれば、より細かく、大問ごとの時間を測定し分析に活かしましょう。苦手な分野は後回しにして、得意な分野から取り組んで確実に点数を稼ぐなど、記録した結果を使って、しっかりと作戦を立てるようにしてください。

4-2.採点し解説を読む

過去問では、まず採点をしてから解説を読んだほうがよいことをご存じでしょうか。採点をしながら解説を読んでしまう人も多いですが、実はあまりよくありません。採点は、点数を知ることが目的ですので、まずパパッと片付けて点数を出しましょう。そして、「じっくりと」解説を読むようにしてください。採点しながら解説を読むと、採点を進めたい気持ちで焦って解説を読み進めてしまいます。過去問を使った学習では、解説をしっかり読んで自分の糧にすることが欠かせません。

特に、国語や英語の長文問題では、そもそも問題文がきちんと理解できていないまま、その解説を読んでも理解することは難しいものです。この場合は、解説を読む前にまず問題文をしっかり理解しましょう。時間をかけて調べながらでも構いません。こうした地道な努力が、後々の点数の差につながっていきますので、じっくり取り組みましょう。また、文法問題などでは、間違えた部分の解説をよく読んで同じミスをしないように、過去問で学力を向上させる意識が必要です。

4-3.間違えた問題を解く

採点を行い、解説を読んだら、その後にしっかりと間違えた問題を解いてください。間違えた問題は、あとで把握しやすいように印を付けておくとよいでしょう。正解した問題、間違えた問題、よくわかっていないけど正解した問題など、細かく分けておくのがコツです。

間違えた問題や、理解が不足している問題については、後日でよいので必ず復習のために再度解いてみましょう。苦手な問題や間違えやすい問題でも、繰り返し解いているうちに知識が定着しますし、自分の間違うポイントに気づいて修正できるようになっていきます。

4-4.分析して入試に活かす

最後に、解いた過去問を分析し、本番の受験に向けた対策を行います。当然ながら、過去問がそのまま本番の入試で出題されることはほとんどありません。しかし、出題した意図がわかれば、入試で同じ傾向の問題を解くこともできますし、出題者が回答に何を求めているかがわかることもあります。

過去問を解き、採点し、分析をしていくと、自分の苦手な分野もわかって対策がしやすくなります。また、時間配分の方法も具体的に考え、何度も過去問に取り組む中で自分に合った時間配分や効率的な得点の取り方なども見えてくるでしょう。

本番が近づいているにもかかわらず、そもそも過去問が理解できない、時間が足りないといった分析結果が出た場合、残念ながら実力が不足している可能性が高いです。その場合は、志望校の変更や、浪人の可否も含めて早めに検討することもできます。

5.過去問を解くポイント

その他の過去問を解くためのポイントについて、簡単に紹介します。

実際の入試をイメージし、効率的に問題を解けるように、解く順番を決めておきましょう。基本的には、過去問を解く中で、正解率が高く、時間的にも余裕をもって解ける問題から先に回答していくとよいでしょう。逆に、正解率も低く、時間がいつも不足するようなジャンルはいったん飛ばすのもひとつの手です。

また、問題の傾向をしっかり把握したい場合には、時間無制限で、ひたすら問題と向き合ってみるのもよいでしょう。ただし、受験本番が近づいてきたら、必ず時間に制限をつけて解くようにしてください。

特定の志望校の過去問は、その学校への入試対策には有効ですが、その他の学校への入試対策には不向きです。そのため、複数の受験を考えている場合や、基礎的な学力が不足している場合は、基礎的な知識や苦手分野を重点的に学習することを大事にしてください。過去問にこだわりすぎて、基礎力が伸びなければ、それだけ進路の幅が狭くなってしまいます。

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過去問を解くことは、志望校の問題傾向や自分の苦手分野を把握し、対策がスムーズにできるようになるため、非常に重要です。しかし、個人では、どうしても学習や分析に限界を感じることがあります。「下克上」は、一人ひとりに合わせて大学受験の対策ができる個別指導塾です。過去問の解き方・使い方についても個別指導でサポートします。受験で良い結果を得るために、LINEに登録し、勉強法についての説明会に参加してみましょう。

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