総合英語Forest(フォレスト)100%活用法!使い方と注意点を解説

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受験英語で文法を勉強する際、定番の総合参考書といわれているのが「総合英語Forest(フォレスト)」です。解説が分かりやすいことから根強い人気を誇ります。しかし、手元にあるものの、「どう使っていいかわからない」「いまいち活用できていない」という人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは、フォレストを上手に活用した勉強方法を紹介します。

1.英語文法の定番参考書「フォレスト」について

フォレストは英文法の参考書として非常によく知られています。どのような参考書なのか、レベルや特徴などについて紹介します。

1-1.総合英語Forest(フォレスト)とは

フォレストは、桐原書店が発行する英文法の参考書です。高校で学ぶ英文法を網羅していて、大学受験対策として優れた内容となっています。高校英語の基礎レベルから応用レベルまで、必要な文法が不足なく解説されているため、これ一冊あれば英文法の辞書としても活用可能です。たとえば、別の問題集を解いていてわからない文法が出てきたときは、フォレストの該当する項目を読めば理解できるでしょう。何度か改訂版が出版されており、最新版は2013年に発売された「7th Edition」です。

1-2.フォレストが向いている人

フォレストは分かりやすいと評判の参考書です。しかし、解説で使われている英単語は知っておく必要があるため、中学レベルの英語もおぼつかない状態であればフォレストを読んでも十分に理解するのは難しいでしょう。そのため、フォレストは中学レベルの英単語や英文法はひととおり理解できていて、高校英語をしっかり勉強したい人に向いています。また、大学を受験するにあたってこれまでに学んだ英文法を基礎から学びたい人にも良いでしょう。

1-3.フォレストの内容の特徴

英文法参考書のなかには、文字が大半を占め、無味乾燥な説明が続くものがよく見られます。これでは、学習を進めるのもつまらなく感じてしまうでしょう。フォレストは「とにかく読みやすい構成・レイアウト」になっているのが大きな特徴です。ページを開くと、見出しや囲みに色がつき、イラストも多く使われていて重要な項目がぱっと目に入ってきます。この工夫によって、文法の細かい違いや重要度がすんなり理解できるのです。

1つの文法事項の説明は「Part 1 これが基本」「Part 2 理解する」「Part 3 深く知る」の3つのパートで構成されています。つまり、その文法の概要を掴み、基礎的な内容を学び、詳細な知識を得るというように段階を踏んで学習を進めることができるのです。たとえば、助動詞の項目では、Part 1は助動詞の役割を、Part 2は各助動詞の基本的な使い方を、Part 3は<助動詞+have+過去分詞>や助動詞を使った慣用表現などさらに踏み込んだ内容を解説しています。

解説で使用されている英単語が比較的平易なことも、フォレストの特徴です。高校生を対象にした参考書のなかには例文に難易度の高い英単語を使っているものもありますが、フォレストではそのようなことはありません。基本的に中学生レベルの英単語ばかりが使われています。文法の解説にも難しい言葉や言い回しが使われることはなく、わかりやすい文章です。スムーズに読めて、ストレスなく理解できます。

2.受験生なら知っておきたいフォレストの上手な使い方

フォレストは優れた参考書ですが、受験勉強においてどのように活用すれば良いのか、いまいちわからないという人もいるでしょう。ここでは、フォレストの効果的な使い方を紹介します。

2-1.英文法の教科書として使う

フォレストは英文法が、平易な文章でとても丁寧に解説されていて、中学レベルの英語が理解できていれば誰が読んでも分かりやすい内容です。そのため、初めて高校英語の文法を学ぶために使う教科書として最適といえます。とはいえ、フォレストは文法がこと細かく説明されているため非常にボリュームがあります。最新版(7th Edition)にいたっては、総ページ数は655ページです。これだけ厚みのある参考書を最初から順番に勉強しようとすると、途中で挫折してしまう人もいるでしょう。教科書的な使い方をすると途中で挫折しそうな人は、次項以降で説明する使い方が向いています。

2-2.授業の理解を深めるために使う

フォレストを、高校の授業をより深く理解するための教材として使うのも有効な方法です。授業の進み具合に合わせ、フォレストで予習・復習をすることでより理解を深めることができます。まずは、授業の予習としてこれから学ぶ文法事項のページを読み込みましょう。Part1からPart3まで目を通します。ただし、予習の段階では説明されている内容を完璧に理解する必要はありません。どのような英文法なのか、要点を掴むことに重点を置きます。

その後に学校の授業を受ければ、先生の説明が深く理解できるでしょう。授業を受けたあとは再びフォレストを使って復習します。このときは、書かれている内容をしっかり理解するよう努めることが大切です。授業の進度に合わせて使うことで、定期テストに向けての勉強にも活用できます。

2-3.英文法の問題集と併せて使う

フォレストでは、Part 2とPart 3の項目の説明の終わりごとに理解できているかどうかをチェックする問題が記載されています。しかし、フォレストはあくまで文法の解説をメインとする参考書です。掲載されている問題だけでは十分な量があるとはいえません。英文法に限らず、学んだ知識を定着させるためにはなるべくたくさんの問題をこなすことが大切です。そこで、フォレストのほかに問題集を用意して併せて活用すると良いでしょう。

問題集の使い方としては、以下のような方法があります。
1.「不定詞」「比較」など項目を決めてフォレストで文法を学ぶ
2.フォレストに挙がっている例文を、日本語から英語、英語から日本語にすらすらと訳せるレベルまで習得する
3.問題集で該当する項目の問題を解く
4.問題が解けなかったときはフォレストに戻り学び直す
5.問題集に戻りもう一度問題に挑戦する

2-4.英文法の辞書として使う

問題集や過去問に取り組んだ際、解説を読んだだけでは文法がよく理解できないときもあるものです。そのような場合に、フォレストの該当ページを読むのも良いでしょう。いわば、文法の辞書的な使い方です。フォレストの巻末には英語と日本語で索引が記載されているので、調べたい項目をすぐに引くことができます。たとえば、「教科書を読んでいたら述語動詞ってでてきたけれど、どんな動詞だろう」と思ったとしましょう。巻末で「日本語さくいん」の「し」の欄を探せば「述語動詞」の項目があるので、すぐに該当のページを参照することができます。これは、じっくりと英文法を学ぶ時間がない受験生や、すでにひととおりの文法は理解している人に向いている使い方です。

2-5.例文暗記の教材として使う

良い参考書は、解説のあとに具体的な例文が豊富に載っているものです。説明だけをいくらされても、実際にその文法を使用した英文がなければ理解はおぼつきません。たとえば、「不定詞は<to +動詞の原形>で使う。名詞的、形容詞的、副詞的用法がある」と説明されても、例文がなければ、文章のなかでどう使うのか、各用法の違いは何かを理解することはできないでしょう。この点、フォレストにはたくさんの例文が記載されていて、学んだ文法項目を使ったさまざまなパターンの例文を知ることができます。そこで、フォレストを例文暗記の教材として使うのも良い方法です。

すらすらと言えるレベルで英語の例文を暗記しておくと、一部の単語を置き換えるだけでほかの文を作ることができ、表現の幅が広がります。たとえば、I want to go to her concert next week.という文章を覚えておけば、her concertやnext weekを別の言葉に置き変えることで「(日時)に(場所)に行きたい」という文をいくらでも作れるようになるわけです。例文を暗記するには、以下のような方法があります。
1.例文の日本語だけを見て、まずは自分で英文を考えてみる
2.合っているか確認し、例として載っている英文を音読しながら覚える

いったん自分で考えることで、何も考えずに英文を見る場合よりも覚えやすくなります。とはいえ、1回だけでは忘れやすいので、定着させるためには少し時間を空けて何度も繰り返すことが必要です。最低でも3回程度は繰り返すと良いでしょう。

3.フォレストで勉強するときの注意点

フォレストは、大学受験対策として英文法を勉強する参考書として最適です。とはいえ、勉強するときはいくつか注意するべき点もあります。

3-1.本文を蛍光ペンなどでカラフルにしすぎない

勉強をしているとき、教科書や参考書の大事なポイントと思われる箇所に蛍光ペンで下線を引く人も多いでしょう。下線を引いた箇所はぱっと目につくので、有効な方法のように思いがちです。しかし、線を引きすぎてしまうと本当に重要な箇所が分からなくなってしまいます。また、実際にはよく理解できていないにも関わらず、線を引くことでなんとなく勉強した気になってしまうこともよくあります。線を引くのは本当に重要な箇所のみにとどめ、あまりあちこちに線を引かないようにしましょう。

3-2.英単語帳は別に用意する必要がある

先に説明したとおり、ほかの大学受験用の英文法参考書と違ってフォレストに出てくる英文には難しい英単語は使われていません。そのため、理解はしやすいのですが、大学受験に必要な英単語を知ることはできません。そのため、別に英単語帳やほかの参考書などを用意して英単語を覚える必要があります。

4.フォレストの他に選びたい英語教材

受験英語を習得するためには、フォレスト以外にも持っておくと良い英語教材があります。ここでは、受験対策に役立つフォレスト以外の英語教材を紹介します。

4-1.問題集を選ぶなら「Nextstage」「解いてトレーニング」

英文法の問題集として良いのが「Nextstage」です。1400以上にも及ぶ問題が掲載されていて、大学受験に必要な情報が網羅されています。問題文の和訳や解説が見開き1ページにまとめられていて、スムーズに学習を進められる構成も秀逸です。問題文が多いことや使い勝手の良さから根強い人気を誇ります。ただし、選択肢が不正解になる理由が解説されていないなど、説明が不十分な面があるため、フォレストと併用することが望ましいでしょう。

「解いてトレーニング」はフォレスト準拠の問題集です。フォレストと併せて使うことで、より効果が期待できるでしょう。解いてトレーニングは解説もわかりやすく、解答にいたるまでの思考の道筋をきちんと把握できます。

4-2.受験に必要な英単語を学ぶなら「システム英単語」

英単語を覚えるなら、「シス単」の略称でも知られる定番の「システム英単語」がおすすめです。シス単では、単語が「ミニマルフレーズ」として短い語句の形式で示されているのが特徴です。たとえば、remainは「remain silent:黙ったままでいる」というフレーズが示されています。フレーズ単位で覚えることで、単語だけを覚えるより語法や意味が理解しやすくなります。また、大学受験で出題頻度が高い順に英単語が載っているのも特徴です。自分のレベルに合わせて英単語を覚えていくことができます。

「システム英単語」のほかに「システムBasic」もあり、後者は中学レベルの基礎的な英単語から学べます。大学受験を目指すなら、改訂版に記載されている英単語も覚えることが必要です。

4-3.最新版が欲しいなら「総合英語Evergreen」

評価の高い総合英語Forestですが、2017年を最後に販売は終了しています。そのため、今から新しく購入しようとしても難しいのが実情です。最新版がほしいときは、同じ筆者の「総合英語Evergreen」を買うと良いでしょう。フォレストの大きな特徴である、段階ごとに進めていくパート構成や分かりやすい解説などがそのまま引き継がれています。解説動画や学習アプリもあるため、自分らしいスタイルで英語学習に活かすことができるでしょう。

総合英語Forestを上手に活用して受験英語をマスターしよう

フォレストは、大学の受験対策として必要な英文法を習得するのに最適な参考書です。単語帳は別に用意するなど、ここで述べた注意点を押さえたうえで最大限に活用して受験英語をマスターしましょう。もっと受験に役立つ情報を知りたいときは、大学受験個別指導塾「下克上」の公式LINE@に登録すると、限定コンテンツを閲覧することができます。

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