英文読解におすすめのポレポレの使い方とコツ

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「ポレポレ英文読解プロセス50」は、1993年に初版が刊行された難関大学を受験する人向けの参考書です。「ポレポレ」とは、スワヒリ語で「ゆっくり」という意味でかわいらしい名前とは裏腹に難易度が非常に高い参考書として知られています。しかし、何度も繰り返し英文の構造を理解できると、これほど心強い参考書は他にありません。この記事では、英文読解におすすめの参考書「ポレポレ」の使い方とコツについて紹介します。

1.ポレポレ英文読解プロセス50について

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、数多くある英文解釈の参考書のなかでも最も難易度が高い参考書として知られています。しかし、ポレポレは非常に洗練された良問が多く、これ1冊で早慶レベルの英文を読解できる不朽の名作として受験生から愛され続けています。英文読解に最適の参考書「ポレポレ英文読解プロセス50」の内容と受験生からの評価について説明します。

1-1.ポレポレ英文読解プロセス50とは

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、東大・京大他旧帝大、早慶といった難関大学の受験者向けに書かれた英文解釈の参考書です。難関大学の長文問題で合格点を取ることを目標にしています。例題も語数が多く、複雑な構造の英文が多いことから、英文解釈の基礎ができていないとまったく太刀打ちできません。しかし、ポレポレを活用すると単語の意味がわかっていても訳しづらい英文の構造を素早くつかめるようになり、確実に得点アップにつながります。逆に、文章中にわからない単語があっても文章構造から類推する力が付くので、英文の意味を正確に理解できるようになるでしょう。

「ポレポレ英文読解プロセス50」の問題数は、全50題で見開き1ページに1題と、非常にわかりやすいレイアウトです。見開きの左上に例題、左下から読解プロセスが始まります。英文の解釈方法は、かなり詳しく書かれているのが特徴です。接続詞やto不定詞が複数あるような複雑な英文でも、その文章の特徴から構造をつかみ正しい解釈につなげてくれます。ただし、基本的な英文法の説明は省かれているので、あくまで上級者向けです。最後に、訳例や確認問題、コラムが掲載されています。

1-2.ポレポレ英文読解プロセス50のみんなの評価

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、たくさんの高評価がある参考書です。

・参考書を利用する前は65前後だった偏差値が70を超えるまでになった
・複雑な英文解釈のトレーニングになる

このように、ネット上でも高く評価されています。難関大学、特に早慶は膨大な量の英文を読み解かなければなりません。そのため、文章の構造を素早くつかむ、いわば読解力が鍛えられるポレポレは、難関大学の合格に最適な参考書といえるでしょう。ただし、上級者向けの参考書のため「基本的な英文法を押さえておかないと解説がよく理解できない」という意見も散見されます。ポレポレを利用して難関大学に挑戦するなら、十分な基礎固めをしてから取り組むといいでしょう。

1-3.ポレポレ英文読解プロセス50の良いところ

「ポレポレ英文読解プロセス50」の特徴といえば、まず英文解釈のプロセスが詳しく解説されていることでしょう。特に、難関大学を目指す受験生は、大量の英文を短時間で読み解く速読力と、きちんとした日本語に和訳する精読力が問われるため、こうしたプロセスは非常に役立ちます。ここでは、「ポレポレ英文読解プロセス50」の良いところを3つ解説します。

1-3-1.プロセスの説明がとても細かく詳しい

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、難関大学の過去問を精査し、そのなかから英文解釈の学習に最適な例文を50個選び抜いた参考書です。特に、ライオンマークが付いた問題は、旧帝大や慶大の過去問から出題されています。例題の一つ一つは短めで、1~2分で読めるものがほとんどですが、文章が入り組んでいて和訳しづらい問題ばかりです。ただし、例題で使われている英単語の難易度はそこまで高くありません。

ポレポレでは、例題のような構造がつかみにくい文章の読解プロセスを詳しく解説しています。S~Vの発見に始まり、等位接続詞に注目した句や節の把握など、どうしてそのような解釈になるのか、その思考の部分も含めて細かく説明しているのが特徴です。そのため、難易度は高めながら非常にわかりやすい内容になっているといえるでしょう。特に、S+Vの関係節を名詞につなげる関係詞の説明には、多くのページを割いています。こうした読解プロセスは、英語を左から右に読む、つまりネイティブが英語を読むのと同じような技術が身に付き、大量の英文を読み解くのに役立つでしょう。

1-3-2.難関大学の和訳問題にも対応している

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、東大など最難関大学で出題される和訳問題にも対応しています。特に、東大の場合、単語は簡単なのにSやV、関係詞の見極めが難しく、和訳すると意味が通らない問題を素早く解かなければいけません。ポレポレの例題は、このような複雑な構造の文章を読み解くことに主題が置かれているので、和訳問題にも役立つ英文解釈の技術が自然と身に付きます。

頻出問題なのに、受験生が苦手な名詞構文や倒置、挿入について詳しく解説されているのもうれしいポイントです。また、例題の訳例が見開きの右下に詳しく書かれているので、英文と和訳を交互に隠しながら学習すると、難関大学のハイレベルな英文和訳、もしくは和文英訳に対処できます。

1-3-3.内容は深いがページ数が少なく取り組みやすい

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、英文解釈のエッセンスが凝縮されています。しかし、本のページ数は130ページ、全50題と英文解釈の参考書のなかでは少な目なので、短時間で取り組めるのが特徴です。そのため、ネット上では、「1日3題以上こなし4~5周して完璧にする」「速読力を鍛えるため音読を10回する」など、ポレポレの例題を何度も解き完璧にマスターすることが推奨されています。本が薄いので、マスターしたら志望校の過去問をメインにして空き時間に見直すのにも向いているでしょう。

1-4.ポレポレ英文読解プロセス50がおすすめな人とは

英単語や英文法の基礎固めがバッチリで、センター模試でも7~8割の得点を安定して取れるのに、長文読解が今一つで成績が頭打ちになっている人におすすめしたい参考書です。ポレポレをマスターすると、難易度が高い英文を難なく読みこなす力が付きます。ここでは、「ポレポレ英文読解プロセス50」がどんな人におすすめか紹介します。

1-4-1.ハイレベルな読解力を身に付けたい人

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、難関大学の英語長文をスラスラ読み解くことができるハイレベルな読解力を身に付けたい人におすすめです。特に、早大や慶大は難易度の高い長文を大量に読むことが求められるため、文章を素早く読む速読力と、文章の構造を瞬時に把握し正確に理解する精読力の両方を鍛える必要があります。ポレポレの例題は、短いですが、受験生が間違いやすかったり理解しづらかったりするところを厳選し、読解のプロセスを詳しく解説しているため、長文読解の力を付けるのに最適です。ポレポレを何度も繰り返し解いて、速読力と精読力を身に付けましょう。

1-4-2.東大や医学部など難関大学を目指す人

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、東大や医学部など難関大学を目指す人向けの参考書といっても過言ではありません。東大や医学部の入試は、1点差で合否が決するので、確実に解ける問題は取りこぼさないようにすることが非常に重要です。特に、東大の英語の入試問題は、英文の量が膨大かつ問題形式が多種多様なので、ポレポレレベルの英語が読解できないと他の受験生に差を付けられてしまいます。逆に、真剣に取り組むことで長文読解の理解が深まり、学習効率が上がることが期待できるでしょう。

なお、ポレポレは英語の基礎力が身に付いている人を想定して書かれているので、基本的な英文法や英単語の解説は省略されています。基礎が固まっていないと理解できずに挫折する可能性が高いので、基礎がまだ固まっていない人は基礎レベルの参考書からやり直しましょう。

2.ポレポレ英文読解プロセス50の効率的な使い方

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、「難関大学の二次試験対策に備えたい」「長文問題が苦手なので読解力を身に付けたい」など、人によって使う目的が異なります。ポレポレの使い方も目的ごとに微妙に異なりますが、ポレポレに初めて取り組む人は、まず文章の構造を学習するのがベストです。ここでは、長文読解の力が身に付く「ポレポレ英文読解プロセス50」の効率的な使い方を紹介します。

2-1.まずは例題を全訳をする。

「ポレポレ英文読解プロセス50」を学習するにあたって一番大事なことが、自分が苦手な部分、理解できていない部分を抽出する作業です。前述したようにポレポレの例題は、難易度が高く、英語の基礎力が身に付いていても頭を抱えるような問題がたくさんあります。しかし、その苦手を克服すれば英語の読解力がグンとアップすること間違いなしです。そのためには、まず自分の力で例題を全訳してみましょう。

和訳する際は、例題をコピーまたはノートに書き写して、SVOCをはじめ、句や節といった語句のまとまり、そしてその語句がどれにかかるか、などをメモしたうえで和訳に取り掛かるのがおすすめです。最初はできなくても、自分の力で訳してみることで、理解できていない部分に気づき長文読解の力が付きます。もし本当にわからなければ、それっぽくでも良いのでとりあえず全訳してみましょう。

2-2.解説を徹底的に読み込む

和訳が終わったら、読解プロセスを徹底的に読み込み、ページの右下にある訳例と自分の訳を見比べてどこが違っているのか見付けましょう。訳例と自分の訳に大きな乖離があるとすれば、それは品詞分解の段階で間違っていた可能性が大です。ポレポレの解説記事は、文章の構造について詳しく書かれているので、自分がどこで間違ったのかしっかり把握し、苦手を克服しましょう。2周目以降で解説どおりに正しく文章を理解できていれば、試験の本番でライバルたちに大きな差を付けられます。

2-3.音読を何度も繰り返す

「ポレポレ英文読解プロセス50」の効率的な使い方として、1993年の刊行以降、受験生から圧倒的に支持されてきたのが、例題の音読を何度も繰り返すことです。一般的に、英語を音読すると先々の文章の意味をイメージしながら読み進めるので、文章を正確にとらえる精読力と素早く読む速読力が身に付きます。難関大学の長文読解の量は、とても膨大なので文章をどんどん読み進め、文章全体の構造を把握することも非常に大事です。また、ポレポレの例題は、あまり長い文章ではないので、音読してもあまり疲れません。問題文を最低10回は音読し、英文解釈の力を付けましょう。

2-4.10周以上復習する

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、10周以上復習することで、より一層英文解釈の理解が深まります。2~5周目は、もう一度和訳して解説記事と比較し、できれば英語の先生に採点してもらうと、例題を解くのにあたって生じた疑問点も解消できるため、おすすめです。6周目以降の復習は、例題の音読をメインにし、まだわからないところがあれば解説記事を読み直しましょう。繰り返し学習することで、複数の節や句が複雑に入り組んだ文章も読み解くことができるようになります。

ポレポレ英文読解プロセス50を使って読解力を身に付けよう

「ポレポレ英文読解プロセス50」は、難関大学を目指す受験生を想定して書かれた参考書です。難関大学の英語の入試は、英文の量が膨大なうえ、構造が複雑な文章を織り交ぜてあるので、文章の構造を素早く把握できる力が求められます。ポレポレは、英語の基礎力があり、かつ長文読解の力を付けたい人におすすめです。「ポレポレ英文読解プロセス50」を効率的に使って読解力を身に付け、志望校合格を目指しましょう。

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